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1. はじめに
レーガン政権時代の経済再建政策の結果による米国の経済の好調さは目をみはるものがある。これも80年代の日本経済の好調さに対する米国製造業の日本対策とも言える抜本的な見直しの結果でもあろう。日本の製造業の『商品創り』(モノでも製品でもない、あえて商品としたの商い、利益を得ると言う意味合い)をスタディしたコンカレント・エンジニアリングに始まって、1988年のブラック・マンデーもクライン/サーバービジネスの好調、新しいサービスビジネスの創出で今日の株価に代表をするように景気の好調さを表わしている。日本は米国に比較して、ジャスト・イン・タイムなどの生産面では数値上、優位性があろうが上流工程から下流工程までの情報化技術(IT)投資という面では、米国にリードを許し始めて来ているのではないだろうか?ここ最近のアジアの経済危機による日本の製造業への影響も少なくなく各社の決算も下方修正がなされるこのごろである。経営陣はIT投資をリスクとみるのか、また成長への機会と見るかの時期に来ているのではないのだろうか?90年代前後から始まったフォード社のC3P(*.1)計画、ボーイング社のDCAC/MRM(*.2)などディジタル・プロセスや顧客満足度を飛躍的に向上させようとする戦略的なITシステムの導入を見れば明らかである。本稿ではPDM(製品データ管理)をベースに最近、製造業でも導入が始まりつつERP(エンタープライズ・リソース・マネージメント)との連携、更に最近、米国で著しい成長をし始めたCSM(コンポーネンツ&サプライヤ・マネージメント)について言及をしたい。
2. PDMとERP - バトル
昨年の10月の末、第4回CIMdataヨーロッパカンファレンスがオランダのアムステルダム郊外のノードウィックにて22カ国、285社から800人以上の参加をもって開催された。その中の『業界動向』でCIMdata社長のエド・ミラーは『CIMdataの統計ではヨーロッパのPDM市場はおよそ35%の成長で、1995年のUS$253ミリオンから1996年のUS$341ミリオンに成長した。これは1996年にワールドワイド マーケットでUS$898ミリオンに達した時の31%を超える』と語り、CIMdataの予測では1997年、ワールドワイド マーケットで$1.1ビリオンに達し、2000年まで22%で成長し、それは$2ビリオンを超えるものと期待されると報告。ミラーはここで、PDM業界に立ちはだかっている唯一最大の課題はエンタープライズリソースプラニング(ERP)とのオーバーラップでぶつかり合いしていることを述べた。『PDMとERPの争いは徐々に競合市場においてポジション(争い)のために様々な策略をベンダーに行わせるている。バランスある投資によって、ユーザー企業は二つのテクノロジーの役割について素晴らしい決定が出来るのであり、むしろ、ユーザー企業は如何にPDMとERPが彼らの為に共にベストを持って寄与できるのかを判断して彼ら自身の作業運用形態の調査をする時間を作らねばならない』と語った。ミラーはまた企業がPDMの推進にしばしば遅れを生じ、とまどっていることも指摘した。
この『争い』と言う表現をとるオーバーラップの発生は、製造業のITアプリケーションに代表されるPDMやERP製品などが発展して来た過程での各々の確立された機能やデータベースにある。ITに関する動向と従来手法との抜本的違い(表1)にあるように情報技術が戦略的に位置付けにある今日では、従来のメインフレーム時代の技術で存在したIS部門は到底存在出来得る状況ではなくなって来たのだ。具体的な課題は以下の様だ:
- グローバル化で製品がより複雑になってきた
- 競争優位に差別化が必要
- 以前にも増して価格の競争が激しくなってきた
- 規制(ISO900、ISO14000)
- 2000年問題
これらの課題に一早く対処し始めたのは米国の製造業だと言っても過言でない。それも『抜本的』にだ。90年代の初頭に特に航空宇宙産業や自動車産業のIT戦略に於いて、アプリケーション・パッケージのサプライヤやソリューション・ベンダーたちは『エンパワーメント』(これは現場の力を引き出そうとの意味)とか『Incremental Step Is Not Enough』(これは抜本的に改善をしなかれば駄目だとの意味)などと声を大にしていたのだ。
これらは前述のボーイング社のDCAC/MRMのソリューションに代表されるように、COTS(*.3)を前提にソリューションを出すようになってきたことだ。 DCAC/MRMの場合、80%は既成品の利用、20%がテーラリングないしカスタマゼーションで行うと言われている。この場合、当然一つのCOTS、すなわち単一のアプリケーションでは解決出来るものではなく、複数のものとなる(図1:ボーイング社のDCAC/MRMに於けるアプリケーション・インテグレーション参照)。すなわちインテグレーション=統合化である。

図1:ボーイング社のDCAC/MRMに於けるアプリケーション・インテグレーション
3. オーバーラップ - 課題
複数のアプリケーション、すなちコンポーネンツを必要とする訳だが、結果的にそれぞれのオーバーラップが発生する。機能、データ、そして組織の利害関係だ。さらに供給側の利害関係をも発生する。ここが『バトル』と言われる由縁である。たとえば、製造側のアプリケーションとしてERP/MRPシステムは上流の設計環境との連携、生産計画との連携、ひいてはERP/MRP システムとセールス・コンフィギュレーションなどと言ったものだ。PDMシステム側も同様だ(図2:PDMとERP/MRP それぞれから見たソリューション・アプリケーション参照)。これらの実態の関係や連携は個々のソリューションの際のアセスメントによって最適なものを選択することが肝要である。

図2:PDMとERP/MRP それぞれから見たソリューション・アプリケーション
ここでPDMシステム、ERPシステムの役割と機能を簡単に整理してみよう。
- PDMシステムの役割
- 製品に関する情報の管理
- 製品のライフサイクル管理
- 開発と製造の統合化
- PDMシステムの機能
- 設計リリース管理
- 製品構成管理
- 部品&コンポーネント・クラシフィケーション
- プロジェクト・プログラム管理
- ユーティリティ群:データ変換/転送、通知、イメージ、アドミニ
- ERPシステムの役割
- 資源管理、在庫の管理、製造オペレーション管理
- サプライチェーンの統合化(アウトバウンド・サプライ・チェイン、後述)
- 配送、製造、財務などの統合
- ERPシステムの機能
- 品目&構成管理
- 顧客サービス管理
- 生産計画&スケジュール
- キャパシティ要求・管理
- 在庫管理
- 配送要求・管理
- 支払&受取管理
- ユーティリティ:データ転送&変換、通知、レポート&ソート、アドミニ
すでにかなりの企業ではMRPないしERPシステムを導入しているが、そこに新たなPDMシステムを追加導入する際、あるいはPDMとERPシステムを一括導入する際に、ユーザーはオーバーラップの問題に遭遇する事になる(図3:PDMとERP/MRP のオーバーラップ参照)。PDMとERP/MRPシステム自体が小規模であったため顕在化しなかったオーバーラップが、システムの拡張を続けていった結果生ずるといったケースもある。

図3:PDMとERP/MRP のオーバーラップ
アプリケーション面で見た場合には、機能面・データ面での大きなオーバーラップはない(図4:PDMとERP/MRP の位置付け参照)。PDMは製品の設計、分析、生産への製品データそのものを生成&変更、それを利用をするアプリケーションはデータ・セントリックである。ERP/MRPは製造のためのスケジュール、材料、在庫と言ったアプリケーション・セントリックと言った面がある。

図4:PDMとERP/MRP の位置付け
一方、組織面で見た場合の顕著な課題が考えられる。それらはPDMが設計側に、ERPは製造、また、PDMシステムはPDMベンダーないし、CADベンダーから、ERPシステムはERPベンダーからサプライされるの一般的である。当然ながら、BOMのオーナーシップ、変更管理のオーナーシップなども課題となる。また、社内に於けるそれぞれの支援体制もERP/MRPは伝統的にIT/IS部門、また、PDMは同様に設計部門をベースにしているケースが多い。結果的に予算面の問題も同様である。このように組織面でのオーバーラップ、文化的な面も考慮しておく必要がある。
4. ソリューション - インテグレーション
PDMシステムとERP/MRPシステムのインテゲレーションの際に両者に可能性のあるインパクトのある部分は次の様である:
- BOMデータ
- 技術変更データ
- サプライヤの情報
- 在庫情報
- 製品原価データ
- アクション通知と電子メール
- 製品ドキュメント
- 製造プロセスと回覧・指示
実際のインテグレーションはどうしているのだろうか?たとえば、製造プロセスと回覧・指示については一般的に予めPDMシステムにあるものではない。ERP/MRPシステムにおけるそれは、ボーイング社の例を見れば使われてなく、インテグレーションに第3者ソフトウエア(CAPP:*4)を採用している。BOMデータを中心にしたインテグレーションは現状、唯一の回答がない状況である。形態として図5:ERP/MRP とPDMのインテグレーションの形態に示す様な4種類の方法が考えられる。

図5:ERP/MRP とPDMのインテグレーションの形態
PDM側主体でデータ管理を行う方法(左側)、これは設計主体で一品物に多い。ボーイング社の例はこの例に近い。PDMシステム側で、異なったBOMを統合管理しようと言うものだ。その次はPDMとERP/MRP でそれぞれ設計BOMと製造BOMを持ち、同期を保ちながらバッチ管理するもので、恐らく、現状、一番、容易な方法として用いられているものと思われる。このバッチ方式とインテグレーションした方法についての比較・手法を表2( PDM&ERP/MRPシステムのインテグレーション/インターフェイス比較)に示す。次のERP/MRP システム側で管理する方法は設計主体と言うよりは生産主体、すなわち、大手、中堅の大量生産の企業で行われている、ないし検討がなされている。もしくは中小の製造業で使用され、PDMはCADシステムのデータ管理である。最後のERPシステムの中に組み込まれたPDMシステムも最近出て来た。
5.CSM - 新たなコンポーネント/インバウンド・サプライ・チェイン
PDMシステム側の業界を見ると、ERP業界の歴史の深さに比較して未だ新しい業界、また未成熟とも言える業界である。それ故、そのマッピングやトップベンダーの新旧交代がここ1ー2年激しい、また、中堅PDMベンダーの躍進も注目である。 PDMシステムのベンダーはツール・ベンダーないしソリューション・ベンダーへの変化をしており、その中でも特にアプリケーションを絞ったベンダーが急成長を果たしている。とりわけCSMと言われる分野だ。
CSMシステムの役割と定義は:
- 最適な部品/材料・サプライヤの選定・選択を行うため、製品組立製造業の設計部門及び部品調達部門に対し、意思決定の支援を行うシステム。
- 社内・外部流通情報を融合して維持管理する、管理ソフトウエアとデータコンテンツを提供。
ここで注目したいのはERPシステムの役割で記述したサプライチェーンの統合化である。現状、ERPシステムをベースに多く語られているサプライチェーンとはアウトバウンド、すなわち、製品を製造し、販売・流通、すなわち外に出る仕組の支援であることだ。このCSMシステムが狙いとしていることは、購入部品(社内推奨も含む)に対する社内の設計/製造/購買部門の支援、すなわち、社内に向けての仕組への支援である。新たにインバウンド・サプライ・チェインと呼ぶ理由はここにある。
そしてCSMシステムの機能とは:
- スキーマ
- パーツファミリー、属性などの記述
- 業種別対応、各々に企業にユニークなもの
- ツール群
- サーチエンジン、情報を分析したり、探したりするツール
- データ
- 商用コンポーネンツ(購入出来るものは?)
- レガシーデータ(再利用可能なものはなにか?)
- ユーザー/グループアプリケーション
CSMはスキーマを初めとするベータベースの十分なテクノロジー、検索における知識的な手法の応用、そして市場の要求、すなわち、冒頭に記述した品質の改善、コストの削減、そしてタイム・ツー・マーケットの短縮と、所謂QCD(Quality、Cost、Delivery)項目である。 GE, Ericsson, IBM, Daimler, Rockwellなど市場の投資により価値を証明されたのだ。
6. CSM - その効果
CSMは例えば新規部品の開発に関わる部品管理の当ててみると、その作業だけでも表3(新規部品開発のプロセスとコスト)にあるようにかなりのコスト(表では1万ドル弱だが複雑なものでは5万ドルから20万ドル、アッシーになると相当なものだ)が費やしていることが分かる。一連のプロセス、それに関わる人々、そしてデータ/文書が数多く存在する。そこで次の様な点に効果を得ようとしてる:
- 新規部品開発の部品マネージメント
- 標準部品/社内標準の検索の難しさ
- 時間短縮&コスト低減 - 再利用
- パーツ、アセンブリーのリンク
- 類似パーツ
- サプライヤー管理(購入部品)
- 社内開発部品管理
- セールス/カスタマー管理
- マテリアルマネージメント:生産/製造面
- 時間/場所/材料/リソース/コンポーネント:正しく探す
結果的にCSMでは購入部品、社内推奨部品、サプライヤー情報の統合DB、PDMやERPとのインテグレーションを図り、技術部門ではCSMシステムやERPシステムからの部品選択、購買では新社内推奨部品の選択や部品とサプライヤーの統合、設計部門では設計の再利用を推進するものである。これらCSM導入の手法についてCSM Strategies(米国、オレゴン州)のBiran Groves氏は単純なコンテンツの検索から部門間のインテグレーションを含むCSMの3つのレベルについてまとめている(表4参照、効果例含む)。
7. 統合化 -先駆者の成功例
1996年のCIMdata社のPDMカンファレンス ヤ96(フロリダ州ボカラートンにて開催)の基調講演『戦略テクノロジーとしてのPDM』は米国IBM社のアンダーセン氏によって行なわれた。それはまさにグローバル企業がグローバル・コンペテシション環境に一早く対応した同社のシステムの報告だった。この新システムはその数年前に遡り、その目的は製品開発に置いて過去20ー30年に渡るメインフレーム・ベースのアプリケーション・システムが今日のビジネス・スピードに対応出来なるためだ。まずメインフレームの7、000のレガシー・アプリケーションはRS/6000とOS/2に整理・移行され、『情報の島』となっていた128のセンターは26に減少させた。そして200、000人の社員に Lotus Notesとワークフローのインフラを提供した。
次の計画は新しいエンタープライズ・システムの導入にあった。これこそがCOTSによるCSM(VIP Reference Database / Aspect Development)、ERP(SAP R/3)、PDM(IBMのProduct Manager)、及びセールス・コンフィグレーション・ツール(Sales Builder、Trilogy Development Group Inc.)のインテグレーションである。このインテグレーション・システムの導入の目的の一つは全社に渡る購入部品の価格の節減とサプライヤの数の整理と、標準化された部品の提供で設計部門と製造部門のプロセスを単純化することである。これらはKodak社の成功例 - 6ヵ月でサーキットボードの設計期間を50%低減、を参考に行なわれた。IBM社の場合、毎年300、000種類の部品の購入、価格にして$12ビリオンと言われ、例えば、1%の改善でも非常に大きな効果が得られると判断、在庫、設計/製造プロセス関連含めて年間$200ミリオンの節減の期待が報告された。
この事例は1997年度のCIMdata社のPDMカンファレンス '97(カリフォリニア州、ロサンジェルスにて開催)に置いてもユーザー事例として、その後の発展・拡張内容が報告された。
冒頭に記述したボーイング社のDCAC/MRMではセールス・コンフィグレーション・ツール(Sales Builder)、PDM(Metaphase)、ERP(Baan)とCAPP(CIMLINC)のインテグレーションだ。インテグレーション手段はIBM社の手堅い方法と対象に、ORB(Object Request Brocker、IONA社)を使用。導入目的は冒頭に記述したがIBM社と同様で、90年代のビジネス・スピードに対応するための800ものレガシー・システムからの移行だ。一部稼働し始めており、その評価は今後になる。
8. ベンダーの動向 - 協調
先に『バトル』と述べたが、このバトルは結果的に業界に於いて健康的な方向に作用している。(図6:CSM、ERP、PDMのインテグレーション例を参照)。特にPDMの業界はまだ未成熟と記述したが、PDM、ERP、CSMの各ベンダーはWebテクノロジーを取り込み、導入パラダイムの広さを『軽く』を使える環境を提供し価値を提供しようといる。また、価値の深さを増大するために、焦点を絞りことに力を向けている。そのために各ベンダー間の『戦略的な関係』に機会が至るところに存在し、例えば、3D CADとの連携、ビュー&マークアップとの連携、ワークフローとの連携、ERPとの連携、CSMとの連携など積極的に進められている(表5:PDMベンダーとERPインテグレーション戦略参照)。

図6:CSM、ERP、PDMのインテグレーション例
(資料提供:Aspect Development社、抜粋)
ここで注意しなけれなならないことはPDMベンダーにより開発されたERPインテグレーションはほとんどのものが特別にカスタマズされたもので、一般的に標準としてサポートされてないことである。多くのベンダーの典型的な戦略はまだ製品となっていない特別な要求のために開発をしたり、しばしば"シェアウエア"ベースないし、以前の顧客に開発したものを利用するなどの『要求ベース(Opportunistic Custom)』でのERPインテグレーションを進めている。
いずれにせよ、主要なPDMベンダーは表5に見るように何かの形態でERPとのインテグレーションをサポートしている。
9. 導入課題とまとめ
CIMdataのエド・ミラーは前述のヨーロッパカンファレンスで『PDMの導入の難しさは往々にしてPCのパワー不足、ネットワークのバンドの狭さ、データのトラフィックのサービスの欠如、データストレージの不足などのような企業のインフラの制限に起因する。PDMプロジェクトが遭遇して駄目になったり、大きな妨げとなるのは根本的に政治や文化的な組織上の難しさでもある』と語る。その他の問題として企業はPDMについての組織への教育、企業のテクノロジーに対する明確な要求定義のなさ、競合製品など業界での一般的な性能のベンチマークの欠如、そしてPDMの色々な側面の経験のある人材不足などの難しさに直面している。『そのような困難な要求を乗り越えるには良い計画、経営陣の強力な支援、そしてプロジェクトへのリーダーシップのコミットメントなどを必要とする』とミラーは説明する。
最近、PDMシステムの導入もかなりの数になり、一部本番稼働に入っている。ERPシステムの導入も成功例の報告も出つつある。IBM社やボーイング社から分かる様にPDM、ERP、CSMなどのシステムの導入、インテグレーションの動機が究めて明確である。また、その評価システムも確立されている。そのためには導入に際して、まず次の様な5つのステップを踏む必要がある:
I. 効果:コスト、ROI
II. 主要な目的は? 何故か?
III. 機能的なものは? 何か?
IV. どのシステムが最適か?どこのサプライヤが最適か? どれか?
V. どうの様に進めて行くか? 如何に?
これは究めて一般的なことだが、重要である。日本の場合、往々にして、このプロセスが軽視されがちだ。逆なステップで進められていることも見受けられる。すなわち、PDMを使わなければ、それにはどうするかと。この場合、恐らく、事前に確実な効果の査定・評価がされない訳でプロジェクト途中での挫折、ないし効果薄となる。単なるオートメーションは行なわれるだろうが、従来のEDP導入と効果は変わらず、競争力のあるIT効果は得られない。PDM、ERP、CSMなどのシステムの導入とインテグレーションは社内の複数の部門が関わり、また部門内のアプリケーション&データ管理、さらに部門間の連携(エンタープライズPDM、図7参照)になる。十分なるビジネス上の目的と効果、ひいては最適な導入手順、それに伴うツールの選定やベンダーの選定など事前に戦略を練ることが必須である。

図7:エンタープライズPDM
冒頭に米国に於ける1980年代の日本スタディを記述したが、最後に歴史的な側面をレビューしたい。第二次世界大戦は日本の零式戦闘機の編隊による真珠湾のアタックにより始まった。その当時、その零戦は各地の空中戦で身の軽さで米国戦闘機を悩ました。しかし、米国はアリューシャン列島で捕獲した零戦から機体ならびに空中戦の性能を徹底的に分析を零戦攻略の戦略と戦術を完成させ優位に立った。これはあたかも今日の製造業に於ける米国の戦略と成功とにオーバーラップせざるを得ない。因に米軍の零戦攻略方法のフィルムに登場する主人公のグラマンのパイロット役は当時ハリウッドのムービースターだったドナルド・レーガンであったことは単なる偶然だろうか?
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