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【コラボレーション環境の背景にあるIPDコンセプト】
IPDのルーツを探索すると他の多くのメソドロジーがそうであるように非常に複雑な製品で長期に渡るライフサイクル管理の問題と課題を解決しようとしていたマクドネル・ダグラス、ベル・ヘリコプターやヒューズなど各社に代表される米国の航空宇宙産業となる。
IPDは矛盾のない、そして正確な情報をもって製品開発チームを支援する環境であり、IPDは長年に渡ってつちかわれた諸々のデザイン・コンセプトを含んでおり、それらを活用している(図1:IPDアーキテクチャ)。IPD戦略や環境の導入は航空宇宙産業に留まらず、90年代の製造業におけるアジル環境に代表される新しいサプライ・チェーン環境における競争優位を獲得しようとする日本を含む世界の自動車、電子、通信、コンピュータ産業などで展開されている。
そのコンセプトを支援する要素には次のようなものが含まれる:
- コンカレント・エンジニアリング
- PDM、ドキュメント・マネージメント、イメージ・マネージメント、コンフィギュレーション・マネージメントを含むPDMツール
- コラボレーション作業環境
- その他、諸々
現在、例えば、特に欧米を中心とした多くの自動車業界で、以下に記述するような様々なIPDコンセプトを導入中とCIMdataはみている。ただ現在、残念ながらそれを相互共有するには至ってないことは事実としてある。
IPDアプローチは完全な製品の定義のプロセス・モデリングとコントロールを組合わせたもので、この完全な製品定義には製品の仕様、設計、分析、バーチャル・プロタイピンク、製造プロセス、そして、メンテナンスを含み、製品開発のために実績ある手法をどのように適用し、質の高いアプローチを通して、製品開発の複雑さを軽減することで知られている。
IPDアプローチはまた、分散プロセスのためのフレームワークの提供によりグローバルにサポートし、地理的に分散した開発チームのために矛盾のない情報のアクセスを可能にする。それは統合化したメソッドとツール群でユーザーに対して情報の整理、保守、そしてアクセスを行なうプロセスを提供することによる。
IPDは変更やリリース(発行)、製品のコンフィギュレーション、バージョン・コントロール、情報の流れ、そして製造・生産管理の支援など優れた製品開発を行なう重要な要素を認識することでもある。IPDはITとそれらをマネージする情報のインテグレーションと活用で開発の生産性を改善しようとするイニシアティブである。
IPDアプローチを正しく適用したならば、設計サイクルに時間がかかったり、コストがかかる物理的なプロとタイピングを減らすバーチャル・プロトタイピングなどによりデザインの決定が早くなり、全体の製品設計サイクルの改善、そして製品のコストが低減する。
IPDは適切に導入・実装することで多大な価値を得られる。それは結果的に適切にトレーニングを行ない且つ継続的にアップツーデートを行うことが導入する企業にとって重要である。
IPDの全ユーザーはCADのマスター・モデルの優位性を得ることが出来る完全に統合化された製品開発環境で製品データをアクセス出来なければならない。このモデルは全ての情報を提供出来る広範な定義でなければならない。このマスター・モデルの利益を得るためにユーザーは全社でビジュアルな形式で受け取ったり、問い合わせが出来なければならない。これには適切な製品開発支援ツールと製品情報が必要とする。これが達成したならば、バーチャル・モックアップ、プロトタイピング、ビジュアライゼーション、そしてシミュレーションなどでコラボレーションが可能な製品開発を支援する環境が出来あがる。(以上、下図参照)
【IPDを支援するPDM&ビジュアライゼーション・ツール】
ユーザー企業であるメーカーやサプライヤにIPDアプローチを適用する際、ユーザーはその組織構造、開発プロセス、そしてITインフラの変更が伴う。組織を通してのマスターモデルを促進させるコラボレーション・ツールの使用の重要性は明白であり、ビジュアルなコラボレーション・ツールはIPD環境のイネーブル・ツールとしての主要な役割を得ることになる。これらのツールはユーザー企業内・社外のサプライ・チェーンの両方で大きな影響を持つことになる。
この製品のビジュアライゼーション・テクノロジーは市場の中で未だ小さな部分だが、昨年(1998年)、特に自動車業界の主要なメーカーやある種のサプライヤーにおいて、諸々のビジュアライゼーション・ツールに対して、明らかな購入のコミットメントがなされるようになった。これが前号で解説のPDM躍進の一要素でもあったのだ。
分散したデザイン・サプライ・チェーンを確実にマネージ出来るようにするシステムは不可欠であり、まだ実現されてなかった。長い間、企業は内部のサプライ・チェーンを支援するためにPDMを適用して来たが、ここに来て社外、また拡張されたエンタープライズを支援するためのツールを必要とする時期に来たこと、またWebテクノロジーの取り込みやビジュアライゼーション・テクノロジーの進展があったのだ。
IPDアプローチを支援するテクノロジーとしてPDM、データウエアハウス、CAD/CAM/CAE、ERP/MRP、そしてビュー&マークアップ、バーチャル・プロトタイピング、モックアップ&シミュレーションなどビジュアライゼーションを含むテクノロジーがあげられる。
IPDの環境を実現するために、これらの設計のツールと情報のオーサリングを行なうツールのインテグレーション、アセンブリー設計、コンフィギュレーション・マネージメント、コラボレーティブ・デザインの支援、製造データ(ERP・MRP)のアクセスなど多くの課題がある。例えば、設計ツールのインテグレーションをとってみても、複数のCADと複数のフォーマット、CAM、CAE、ERP/MRP、テクニカル・パブリッシングなどとの連携、アセンブリー設計では異なったCADシステムやベンダー、比較的中規模で数百のコンポーネントや部品でのパフォーマンス、コンフィギュレーション・マネージメントではオーナーシップ、変更の権限、所在管理、ヒストリー、更に社外との関係、コラボレーティブ・デザインではコンカレント作業、Webやマルチメディア、確実・強固なデザインのコントロール、レビュー、承認、チームメンバーの情報のアクセスのコントロールや複数のフォーマットのアクセスなどがあげられる。
そこでIPD環境へのPDMが支援可能なものをあげると以下のようである:
- プロセスとデータのマネージメント
- 製品構成のマネージメント
- 製造への製品のリリース(発行)のマネージメント
- データのアクセス・コントロールの実行
- 各種アプリケーションのコーディネーションと統合
ほか
PDMベンダーは数年前からこの分野に注目し、初期のビジュアライゼーション・ツールとの組合わせなどでCoCreate社はCoCreation、CV社(現在はPTC社に吸収)はEPD、Dassault社(現在はEnovia社を設立)はVPM、Intergraph社はAIM、Unigraphics社はVPDを展開し始め、前号記載の"主なPDMベンダーの戦略"と"主なビジュアライゼーション・ベンダーの戦略"のリストにあるように昨年来、市場に大きく受け入れられ始めてきたのである。
【参考文献】
- Integrated Product Development Approaches, John MacKrell, CIMdata Conference '98
- CIMdata社、 PDM Buyer's Guide 7th Edition, Vol.1
- CIMdata社、 PDM Market Opportunity Report
- Visualization Tools for PDM by Ed Miller, CAE Magazine, 03-99
- Concurrent Engineering Foundamentals, Integrated Product Development (IPD), Biren Prasad, Prentice Hall
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