2019.4.25:SAP 2019年第1四半期決算発表クラウドとコアビジネスで好調な年度の立ち上がりSAP、2019年の営業利益の見通しを引き上げ


※文中、Bausparkasse Schwabisch Hall社の正式な社名の表記はプレスリリースのPDFをご参照ください。

本資料は、SAP SEが発行している「SAP Q1/2019 Quarterly Statement」の抄訳です。オリジナルの資料はリンク先を参照ください。

  • 四半期のクラウド売上が初めて15億ユーロを突破。IFRSベースでは45%増、
  • Non-IFRSベースでは48%増
  • SAP、Qualtrics社の買収によりエクスペリエンスマネージメント(XM)におけるリーダーに
  • 新規のクラウドとソフトウェアの受注が17%増
  • クラウドおよびソフトウェア売上と総売上が2桁増
  • クラウド売上総利益に拍車がかかり、IFRSベースでは3 PP増、Non-IFRSベースでは4 PP増と連続で増加
  • 以前に発表した構造改革により事業損失(IFRSベース)が1億3,600万ユーロ、営業利益(Non-IFRSベース)は14億6,700万ユーロで19%増
  • オペレーショナルエクセレンスへのさらなる集中 - 2018年から2023年までの各年で、Non-IFRSベースの営業利益率の平均1パーセンテージポイント増を目指す。
  • SAPは2019年11月12日にSpecial Capital Markets Dayを開催

SAP CEOビル・マクダーモット(Bill McDermott)は次のように述べています。「SAPの業績からも、SAPがエンタープライズアプリケーションソフトウェア業界で稀有な存在であることが示されています。SAPは強力なコアビジネス、エンタープライズソフトウェアで急成長している大規模なクラウドを持ち、Non-IFRSベースの営業利益は強い成長を遂げています。現在はBest-Run SAPを率いていくことに集中しており、今後の四半期で利益率の大幅な拡大を推し進めることができるでしょう」

SAP CFOルカ・ムチッチ(Luka Mucic)は次のように述べています。「クラウドと盤石なコアビジネスで急成長を成し遂げることができ、大変嬉しく思っています。Non-IFRSベースの営業利益はここ3年以上で最大の伸びとなり、クラウドの売上総利益率と営業利益率は予想を超えました。本日の発表のとおり、中期の収益増と株主への大幅な利益還元というお約束をさらに拡大できるという確信が得られました」

【ビジネスパフォーマンス】

■2019年度第1四半期 業績ハイライト

第1四半期の新規クラウド受注は32%増加しました(固定通貨換算では26%の増加)。クラウド売上は、IFRSベースで前年同期比45%増の15億6,000万ユーロ、Non-IFRSベースで48%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは41%増でした。ソフトウェアライセンス売上は、IFRSベースで前年同期比4%増の6億5,000万ユーロ、Non-IFRSベースで4%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは1%増でした。第1四半期の新規のクラウドおよびソフトウェアの受注は前年同期比17%増、固定通貨換算ベースで13%増でした。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで前年同期比  16%増の50億4,000万ユーロ、Non-IFRSベースで16%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは12%増でした。総売上は、IFRSベースで前年同期比16%増の60億9,000万ユーロ、Non-IFRSベースで16%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは12%増でした。

SAPのクラウドビジネスの急速な拡大が、サポート売上の堅調な成長とともに予測性の高い売上の比率を引き続き押し上げており、第1四半期には前年同期比で1パーセンテージポイント増の72%に成長しました。

前述のとおり、第1四半期のIFRSベースの営業利益は、2019年度のSAPの構造改革の予想コスト(8億8,600万ユーロ)を承認したこと、主にQualtrics社の買収による買収関連費用、株主報酬費用が増加したことの影響を受けました。その結果、IFRSベースの事業損失は1億3,600万ユーロとなりました(2018年第1四半期の営業利益=10億2,500万ユーロ)。一方、Non-IFRSベースの利益は19%増の14億6,700万ユーロ、固定通貨換算ベースで13%増となりました。1株当たり利益はIFRSベースではマイナス0.10ユーロ(2018年第1四半期=0.59ユーロ)、Non-IFRSベースで24%増の0.90ユーロとなりました。

2019年度の3カ月間の営業キャッシュフローは、前年同期比9%増の28億ユーロでした。フリーキャッシュフローは、前年同期比10%増の23億7,000万ユーロでした。第1四半期末時点の純流動資産はマイナス61億9,000万ユーロでした。

【2019年度第1四半期のセグメント別業績】

SAPの3つの報告セグメントである「Applications, Technology & Services」、「Business Network」、および「Customer and Experience Management」の業績は以下に示すとおりです。

■Applications, Technology & Services(ATS)

第1四半期のAT&Sセグメントの売上は、前年同期比12%増の49億9,000万ユーロ、固定通貨換算ベースで9%増でした。第1四半期のこの成長に貢献したソリューションを以下に示します。

  • SAP S/4HANA(R)
    SAP S/4HANAはインテリジェントエンタープライズの中核を成しています。SAP S/4HANAによって、お客様はビジネスプロセスの自動化を一層推進し、従業員をより価値の高い仕事に従事させることができます。あらゆる業種のお客様が、SAP S/4HANAによるパターンの検出、結果の予測、行動の提案に基づいてビジネスモデルを再構築し、デジタルエコノミーに対応できるようになります。
    今四半期に、SAP S/4HANA Cloudは「IDC MarketScape:世界のSaaSおよびクラウドベース業務ERPアプリケーションベンダー評価(2019年版)」で「リーダー」に認定されました。IDCはSAP S/4HANA Cloudを、着想から設計、調達から支払い、計画から生産、受注から回収、提案からプロジェクト、そしてコア財務といったさまざまなビジネスプロセスを実現するインテリジェントERPだと評価しています。
    SAP S/4HANAを導入したお客様の数は前年同期比で30%の増加し、10,900社を超えました。第1四半期に新たにSAP S/4HANAを契約したお客様のうちの40%以上が新規顧客です。
    SAP S/4HANAは引き続き、世界有数のグローバル企業で導入されており、今四半期には、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社日本触媒、Levi's社、CVS Health社、Schaeffler Technologies社などの企業が導入を決めました。Puma社とBausparkasse Schwabisch Hall社が今四半期にSAP S/4HANAの本稼動を開始しました。ESL/Turtle Entertainment社やAEG社のように、SAP S/4HANAをクラウドで導入する企業も増えてきています。Computacenter社が第1四半期にSAP S/4HANA Cloudの本稼動を開始しました。
  • Human Capital Management(人材管理)
    SAPは、正規社員と非正規社員の両方にわたってワークフォース管理のトータルソリューションを提供しています。SAP(R) SuccessFactors(R) Suiteは96カ国で42言語にローカライズされています。
    SAP SuccessFactorsはSAP HANA(R)への移行を完了しました。これは、SAP SuccessFactorsの工程、リアルタイム予測分析機能を組み込む能力、将来のイノベーションにとって非常に重要なマイルストーンです。
    SAPのHCMソリューションの主力製品であるSAP(R) SuccessFactors(R) Employee Centralを導入した企業の数は、今四半期に新たに150社以上を加え、今や全世界で約3,200社に上りました。Calzedonia Group社などのお客様にSAPをお選びいただき、第1四半期には、Tapestry社がSAP SuccessFactors Employee Centralの本稼動を開始しました。
  • SAP(R) Leonardo
    SAP Leonardoは、AI、機械学習、IoT、ビッグデータ、高度なアナリティクス、ブロックチェーンなどの最先端のテクノロジー、および、プロセスと業界に関する深い専門知識を統合することにより、まったく新しい働き方をもたらし、インテリェントエンタープライズを推進します。
    第1四半期にはBumble Bee Foods社、Premier Foods社を含む多くの企業がSAP Leonardoソリューションを導入しました。
  • SAP(R) Digital Platform
    SAP Digital Platformには、SAP(R) Cloud PlatformとSAP(R) Data Managementソリューションが含まれます。SAP HANAのデータが豊富でリアルタイムのインメモリーアーキテクチャーを基盤として使用することで、SAP HANAを最大限に活用するための大きな機会がもたらされます。
    SAP Cloud Platformで新しいアプリケーションの開発、拡張、シームレスな統合が容易になり、オンプレミスとクラウドにまたがる「ハイブリッド」なオーケストレーション環境が実現します。
    「エンタープライズの管制塔」の役割を果たすSAP(R) Data Hubで非構造化データを含む複数ソースのデータを統合すれば、企業のすべてのデータをあらゆる角度から可視化し、コンプライアンスとガバナンスの方針を一元的に管理することができます。
    第1四半期にはKontinental Hockey Leagueを含む多くのお客様がSAPのDigital Platformソリューションを導入しました。
  • SAP Business Network(BN)
    第1四半期に、SAP Business Networkセグメントの売上は、前年同期比25%増の7億4,000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは18%増でした。
    SAP Business Networkでは、コラボレーティブコマース機能(SAP(R) Ariba(R))、効率的な旅費・経費処理(SAP(R) Concur(R))、および柔軟なワークフォース管理機能(SAP(R) Fieldglass(R))を提供します。SAP Business Networkは、180カ国以上で行われるグローバルな商取引額が年間3兆1,000億ドルを超える世界最大のコマースプラットフォームです。
    第1四半期には、American Express社とSAP Aribaが両社のお客様に大きな価値を
    提供することを目指し、Ariba(R) Network上でバイヤーとサプライヤー向けに新たな支払・資金調達の選択肢を提供するため戦略的で段階的なパートナーシップ契約を締結しました。支払エクスペリエンスを統合し、シームレスな照合、詳細な可視化と管理、セキュリティの強化、事業の運転資本の改善を実現します。
    Omnicom社が第1四半期にSAP Business Networkソリューションを選択しました。
  • Customer and Experience Management(CXM)
    第1四半期に、Customer and Experience Managementセグメントの売上は、前年同期比100%以上増の3億500万ユーロ、固定通貨換算ベースでは100%以上増でした。第1四半期のこの成長に貢献したソリューションを以下に示します。
  • SAP(R) C/4HANA
    SAP C/4HANAソリューションは、B2CとB2Bの両分野にわたり、さまざまな業種で広く活用されており、企業はマーケティング、セールス、コマース、サービス、カスタマーデータクラウドなど、フロントオフィス全体をリアルタイムでシームレスに管理することができます。
    SAP C/4HANAによって、企業はすべてのチャネルの顧客について単一の完全なビューを得るとともに、需要からフルフィルメントまでのエンジンを1つのエンド・ツー・エンドのバリューチェーンでつなぐことができます。Isuzu Motors South Africa社、Groupe PSA Brazil社、AmerisourceBergen社が競合他社ではなくSAP C/4HANAを選びました。
  • エクスペリエンスマネージメントソリューション(Qualtrics)
    Qualtrics社の買収により、SAPはエクスペリエンスマネージメント(Xデータ)における市場でのリーダーシップと、25の業界におけるエンド・ツー・エンドの業務の力(Oデータ)を組み合わせ、ブランド、お客様、製品、従業員という4つの主要なエクスペリエンスを提供します。CVS Health社とCirque du Soleil社が今四半期にSAPのエクスペリエンスマネージメントソリューションを選びました。

【2019年度第1四半期の地域別業績】

欧州・中東・アフリカ地域では、クラウドおよびソフトウェア売上がIFRSベースで11%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで11%増となり、堅調な業績を達成しました。クラウド売上はIFRSベースで42%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで39%増となり、英国、スイス、スペインで特に顕著でした。また、ドイツ、英国、スペインにおいてソフトウェアライセンス売上が力強い成長を見せました。

南北中央アメリカ地域では、好調な業績を達成しました。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで21%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは15%増でした。クラウド売上はIFRSベースで45%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで39%増となり、米国、カナダ、メキシコで特に顕著でした。また、米国とカナダではソフトウェアライセンス売上が好調な四半期でした。

アジア太平洋および日本地域では、堅調な業績を達成しました。クラウドおよびソフトウェア売上は、IFRSベースで16%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースでは12%増でした。クラウド売上はIFRSベースで55%増、Non-IFRSの固定通貨換算ベースで51%増となり、中国、日本で特に顕著でした。ソフトウェアライセンス売上については、中国、日本、韓国が好調な四半期でした。

【2019年度の見通し】

SAPは2019年度の見通しを更新しました。この更新では、2019年度第1四半期の業績に加えて、オペレーショナルエクセレンスと価値の創造を促進する新しいイニシアチブを反映しています。

SAPは引き続き次の目標を見込んでいます。

  • Non-IFRSベースのクラウド売上は、固定通貨換算ベースで33%から39%増の67億ユーロから70億ユーロの見込みです(2018年=50億3,000万ユーロ)。
  • Non-IFRSベースのクラウドおよびソフトウェア売上は、固定通貨換算ベースで8.5%から10%増の224億ユーロから227億ユーロの見込みです(2018年=206億6,000万ユーロ)。

SAPの最新の見込みは以下のとおりです。

  • Non-IFRSベースの営業利益は、固定通貨換算ベースで9.5%から12.5%増の78億5,000万ユーロから80億5,000万ユーロの見込みです(2018年=71億6,000万ユーロ、以前の見込みは固定通貨換算ベースで7.5%から11.5%増の77億ユーロから80億ユーロ)。

さらに、SAPは、総売上も好調で営業利益よりも低い率で増加すると見込んでいます(以前の見込みは営業利益よりもわずかに低い率で増加)。

2019年度第1四半期の数字には、Qualtrics社の売上および利益が買収日である1月23日以降分のみ含まれます。2018年通年の比較数値には、Qualtricsの売上および利益は含まれておらず、Callidus社の売上および利益が買収日である2018年4月5日以降分のみ含まれます。

■2020年度および2023年度の目標

2019年から先を見通し、SAPは2020年度と2023年度の目標を更新しました。この更新では、オペレーショナルエクセレンスと価値の創造を促進する新しいイニシアチブを反映しています。

■2020年度目標

SAPは引き続き次の目標を見込んでいます。

  • Non-IFRSベースのクラウド売上が86億〜91億ユーロ
  • Non-IFRSベースの総売上が286億〜292億ユーロ
  • 予測可能性の高い売上(クラウド売上とソフトウェアサポート売上の合計と定義)の比率が70%〜75%

SAPの最新の見込みは以下のとおりです。

  • Non-IFRSベースの営業利益が88億〜91億ユーロ(以前は85億〜90億ユーロ)

■2023年度目標

2018年から2023年の期間について、SAPは引き続き次の目標を見込んでいます。

  • Non-IFRSベースのクラウド売上が3倍以上の増加(2018年=50億3,000万ユーロ)
  • Non-IFRSベースの総売上が350億ユーロ以上まで増加(2018年=247億4,000万ユーロ)
  • 予測可能性の高い売上の比率を80%に近づける

同期間について、SAPの最新の目標は以下のとおりです。

  • Non-IFRSベースのクラウド売上総利益が75%に到達
  • Non-IFRSベースの営業利益が平均で各年あたり1パーセンテージポイント増、合計で約500ベーシスポイントの拡大

2023年度のNon-IFRSベースの営業利益目標は、以前の目標を置き換え、年平均成長率7.5%〜10%増(2018年=71億6,000万ユーロ)に設定

【追加情報】

今四半期の決算発表、および、そこに含まれるすべての情報は未監査のものです。

以上

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