2021.10.11:トヨタシステムズ、CAE解析データの大容量・高速転送に「SkeedSilverBullet」を採用 (SCSK)


~トヨタグループ全体のCAEリソース最適化を実現~

SCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 執行役員 社長 最高執行責任者:谷原 徹、以下 SCSK)は、SCSKのグループ会社である株式会社Skeed(以下 Skeed)が提供する高速ファイル転送ソリューション「SkeedSilverBullet (スキードシルバーバレット)」を株式会社トヨタシステムズ(以下 トヨタシステムズ)へ導入しました。「SkeedSilverBullet」はトヨタシステムズが提供するCAE※1解析システムの大容量データ転送ソリューションとして採用され、2021年9月現在、トヨタグループ関連会社、計13社(270ライセンス)でご利用いただいています。

※1 CAE:Computer Aided Engineeringの略、コンピュータを活用した工業製品の設計、試作、評価、製造工程の検討や検証手法。またはその考え方のこと。

■図版:「SkeedSilverBullet」導入イメージ

20211011 SCSK 1

1. 背景

トヨタシステムズは自動車ビジネス発展に貢献することを目標に、トヨタ自動車向けに提供・蓄積してきたITサービスのノウハウを国内・海外の関連会社に対し展開することで、ITサービスと技術でトヨタ自動車のクルマづくりを支え、モノづくりの未来をつくるエンジニアリング事業を目指しています。

従来、トヨタ自動車およびトヨタグループ関連会社は、CAE解析に使用するハイパフォーマンスコンピューティング(以下 HPC)を各社で独自に調達していましたが、車両開発における一時的なピークなど通常外の利用が多数発生する場合は、HPC計算リソース不足により、解析に遅れが生じるケースがありました。また、利用のピークを基準とした大容量HPC計算リソースをグループ関連会社で調達することは、各社で余剰リソースを抱えることとなるため、コスト増加に繋がる懸念がありました。

2. 実施内容および効果

(1)トヨタグループ関連会社各社における一時的なリソース利用増に対応できるよう、トヨタ自動車が所有するHPC計算リソースをトヨタグループ関連会社(計13社)へ開放、共同利用が可能。トヨタグループ関連会社各社が有するリソースを増強することなく、ピークアウトへの対応を実現。

  • トヨタグループ関連会社各社が有するリソースを超える解析ニーズが発生した際、即座に計算環境の利用が可能
  • トヨタグループ関連会社各社のリソース利用量に応じた従量課金の実施
  • トヨタグループ関連会社各社のリソースでは実行が難しかった大規模モデルの解析や、複数計算の同時実行が可能となり、解析期間短縮(1週間→1日)を実現
  • HPC計算リソースへの投資効率化により、トヨタグループ全体でCAEリソースの最適化へ寄与

(2)トヨタグループ関連各社が共同利用するHPC計算環境のセキュリティを確保するため、「SkeedSilverBullet」を採用。

  • 大容量の計算データ授受において、既存のネットワーク帯域を圧迫することなく、機密性を確保しながら操作性の向上と計算時間短縮を実現

3. 今後の展開

トヨタシステムズでは、トヨタグループ関連各社が共同利用するためのHPC計算リソースを新たに調達することで、共同利用環境の拡張を予定されています。また、トヨタ自動車の国内グループ関連会社への展開に加え、北米、中国、タイをはじめとする海外のCAE活用拠点への展開を予定されており、この展開と合わせて「SkeedSilverBullet」を新たにご利用いただく予定です。

4. トヨタシステムズからのコメント

トヨタグループ向けにHPC計算リソースを時間貸しするサービスを提供するにあたり、遠隔地との通信(速度、品質)、セキュリティ、操作性の要件を満たすファイル授受アプリケーションの選定を実施しました。

CAE解析では大規模なデータ授受が必要、基幹システムと比べ業務優先度が低く通信帯域を独占できないという特徴があります。さらに、トヨタグループ各社でネットワーク環境が異なるという条件もクリアする必要がありました。「SkeedSilverBullet」は、アプリケーション単位で、データ授受時のUDPを使った高速通信、セキュリティ、通信の帯域制御を適用できる点で優位性があったため、採用を決定しました。

トヨタシステムズ株式会社 制御・解析本部 シミュレーションサービス部 部長 笠岡 泰貴様

5. 「SkeedSilverBullet」について

「SkeedSilverBullet」は、長距離通信や回線品質の劣化に伴い伝搬遅延を来すという、TCPの欠点を克服するため、独自のトランスポート層プロトコル「SkeedSilverBullet Protocol(以下 SSBP)」の特許技術を使い、他の通信と公平に共存しつつ、通信距離やファイル容量を気にすることなく、FTPの数十倍といった高速かつセキュアなデータ伝送を実現することが可能な製品です。

6. 株式会社Skeedについて

SkeedはSCSKのグループ会社であり、ともに「情報活用のための革新的なソフトウェア・サービスを提供する企業」であることを事業目的とし活動しています。Skeedの技術は、独自の高速データ転送技術とP2Pアーキテクチャをベースとした自律分散コンピューティング技術により、高速、安全かつ簡単な純国産のネットワークソリューションを開発・販売しています。

本件の参照先:https://www.scsk.jp/news/2021/press/product/20211011.html

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