2022.1.18:ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」販売開始のお知らせ (Cybernet)


膨大なIoTデータを簡単に見える化!生産設備や工場ラインの 現状をすばやく把握し、予兆保全を効率化します。

サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、自社開発したビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis(ビッグデータアナリシス)」を、2022年1月1日から販売開始したことをお知らせします。

IoTにおけるデータ活用と課題

国内の工場では、生産性の向上や省エネルギー対策のために、生産設備/機器の保全やライン稼働監視などでIoT機器を用いて稼働監視や予兆保全を可視化する動きが広まっています。株式会社矢野経済研究所が2021年6月に発表した「工場デジタル化市場に関する調査」※1によると、IoTやAIを利用した工場デジタル化の国内市場規模は、1兆6,760億円(2021年度の企業発注ベース)と予測されています。

しかし、センサー機器などから取得されるIoTデータは、多変量※2なビッグデータのため従来のツールでは分析が難しく、「何にどう活用したらよいか判らない」、「データ活用のための統計解析や多変量解析といった専門知識を持つ人材やノウハウが不足している」などの相談が実際にお客様から多く寄せられています。

ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」とは

BIGDAT@Analysisは、高度な専門知識がない方でも、実験データや工場の機器ログなどから出力される様々なビッグデータの可視化・分析を簡単な操作で可能とするソフトウェアです。データの全体構造を俯瞰して直感的に把握することで、工場設備の予兆保全などを効率化させます。

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BIGDAT@Analysis概念図

BIGDAT@Analysisは、2016年5月から2021年12月まで、サイバネットが開発・販売していたBIGDAT@Viewerの後継製品です。データの特性に合わせて、新たに6種類のマップ(分布図)化手法が選択できるようになるなど、BIGDAT@Viewerからさらに多くの機能が追加されています。

特長1:多次元のCSVデータを読み込むだけで、そのデータの性質・構造が一目で把握可能に

CSV形式のデータをそのまま読み込ませるだけで、データの類似性を元にマップを作成します。マップの形状により、分析対象のデータの性質・構造が視覚的に把握できます。生産設備や工場ラインの現場担当者自身がデータ全体を俯瞰し、製造プロセスなどにおける不良要因の解明、対策立案などの対策を取ることが可能となります。

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BIGDAT@Analysisから出力された解析結果のマップ(分布図)例

特長2:分析の難しい多変量データの寄与度の可視化が可能

IoT機器で集積するデータは、膨大な特性(変数)が観測されるため、分析するには仮設を立てながら目的に合わせた手法を選択する必要があります。BIGDAT@Analysisを利用することで、多変量のデータにおいても、ターゲットとなるデータとそれ以外のデータの差分を表示させ、差の大きい物から順番に表示されます。

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統計分析の対象として著名な「スイス銀行紙幣データ」※3の相関解析例。
「横幅、左縦長、右縦長、下枠長、上枠長、対角長」の6種類の測定値(変数)のうち、本物の紙幣と偽札で相違の大小を分析している。

特長3:データの特性に合わせたマップ化手法を選択し、分析時間を短縮

複数のマップ化手法でビッグデータを一度に可視化し、結果を見てからデータの特性に合わせた適切な手法を選択できます。それぞれの手法に合わせるためにデータを加工することなく、分析時間の短縮を実現します。

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BIGDAT@Analysisで選択できる6種類のマップ化手法

今後の展望:前処理機能/回帰分析機能のリリースについて

IoT機器から集積されるデータに欠損等がある場合は分析前の処理が必要ですが、「どのように修正してよいか分からない」というお客様からのご相談を受けることが多々あります。2022年後期に予定しているバージョンアップでは、前処理が必要な個所および修正案をワンクリックで表示し、修正の実行まで行える機能の追加を目指しています。

また、これまでお客様から多く寄せられている「データの寄与度を数式でそれぞれ表したい」というご要望にお応えすべく、選択領域のデータ毎に複数の手法を用いて回帰分析を実行する機能の追加も予定しています。

注釈

※1:出典:株式会社矢野経済研究所「工場デジタル化市場に関する調査(2021年)」2021年6月24日発表
(注:市場規模には、ハードウェア、ソフトウェア、プラットフォーム(クラウド)利用料、工事(電気設備・通信設備)、SI・コンサルティング、サービスサポート、保守メンテナンス、要員派遣などを含む。)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2725

※2:多変量:複数の変数(項目、属性、次元数)からなり、計算負荷が高くなるデータ。
※3:「スイス銀行紙幣データ」:参考:「Multivariate Statistics, A Practical Approach(Flury,B.&Rieduyl.H.(1988))」
https://www.jstor.org/stable/1164768?refreqid=excelsior%3A65c6713e1ecab75b37d70ad2a774754a

サイバネットについて

サイバネットシステム株式会社は、CAE※のリーディングカンパニーとして30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。また、IT分野では、サイバー攻撃から情報資産を守るエンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティなどのITセキュリティソリューションを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。

企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。

サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。 
https://www.cybernet.co.jp/

※CAE(Computer Aided Engineering):ものづくりの研究・開発工程において、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすことで、開発期間や資材コストを大幅に削減できるメリットがある。

本件の参照先:https://www.cybernet.jp/company/about/news/press/2022/20220118.html

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