2022.4.19:デジタルツイン共創プログラムを開始 (NTTdata)


~IOWNデジタルツイン技術によりデータ駆動型社会を実現する新規事業・サービスを創出~

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、IOWNおよびデジタルツイン技術を活用し、お客さまやパートナーとともにさまざまな社会変革・事業変革にチャレンジする「デジタルツイン共創プログラム」を2022年4月20日より開始します。

デジタルツインは、現実空間のモノ・ヒトをサイバー空間上でデジタルコピーとして表現する技術で、未来予測やシミュレーションへの活用で注目されています。そして、社会全体や事業環境をデジタルツイン化することで、データ活用に基づいた従来にないサービスやビジネスを創出することが期待されています。

本プログラムでは、お客さまやパートナーが保有するデータに加え、オープンデータや人流・交通流データ、ヘルスケアデータなどのデータを掛け合わせた高精度なデジタルツインを試作し、その技術面や事業面での有効性を検証できます。そして、NTTデータのデジタルツイン技術のエキスパートがサポートし、お客さまやパートナーが安心・安全にデータを共有できるデジタルツイン基盤を提供することで、デジタルツインの試作・検証活動を高速・高信頼に繰り返すことが可能となります。

NTTデータは、本プログラムにより、お客さまやパートナーと共にデジタルツイン技術を活用したさまざまな社会課題を解決するサービスや事業を創出していきます。

背景

デジタル化の急速な進展・高度化により、全世界で年間に生成されるデータの総量は約163兆GBと爆発的に増大する見込み注1です。データが競争力の源泉となる資産として再定義される動きを見せるにつれて、データ取引市場を含むデータ流通の仕組みづくりが急速に進んでいます。

このような状況下、NTTデータはさまざまなデータをサイバー空間上で掛け合わせて、その効果・影響をシミュレーションできるデジタルツインがデータの付加価値を向上させるポイントであると考え、各種データや人材、技術群を提供するテクノロジーアセット提供型のデジタルツイン共創プログラムを開始します。

デジタルツインとは

デジタルツインとは、現実空間の、ヒト・モノ・コトのさまざまなデジタルコピーをサイバー空間上に表現する先進技術です。いわば現実空間とそっくりな双子をサイバー空間上に作り出すため、デジタルの双子(デジタルツイン)と呼ばれます。このデジタルツインを使ってデータ分析や未来予測などのシミュレーションを実行し、その結果に基づいて最適な方法や行動を現実空間にフィードバックすることで、街づくりや工場・生産ラインの改善など、社会やビジネスプロセスを進化させることができる技術概念として注目を浴びています。

デジタルツインのユースケース例

  • 製造業:生産ラインの自動化機器導入効果の推定および作業動線などの確認、導入後のスケジューリング最適化
  • 物流業:稼働率向上のための集配拠点の配置最適化や集配ルートの最適化
  • 不動産業:データを用いたエリアごとのマーケット特性理解の上で、都市設計・テナント呼込計画の策定
  • 小売り・健康サービス業:地域生活者の生活動線、健康活動実績に基づく商圏分析、商品開発

概要(特長)

データ駆動型ビジネスの創出においては、以下のような課題が挙げられます。

  • データ分析のスキルを持った人材の不足や欠如
  • データの整備や外部からのデータ調達に対して投資ができない
  • 他組織、他企業との機微なデータ連携にセキュリティ上の懸念がある

本共創プログラムでは、以下のテクノロジーアセットをNTTデータから提供することで、参加するお客さまは技術的なケイパビリティを確保し、データ駆動型ビジネスにおけるさまざまなアイデアの具体化と価値検証が可能となります。

20220419 NTTdata 1

図:プログラム全体像

デジタルツイン創出データ

加工済みオープンデータ、NTTデータの保有データに加え、シミュレーション等の予測技術により“未来のデータ”も推定値として提供

<保有データ>

  • GPS・Beacon移動軌跡データ
  • 地図・不動産データ
  • PHR情報、内面情報アンケートデータ
  • SNS投稿データ
  • 人口統計・気象・災害データ

<推定データ>

  • 建物滞在人口将来予測データ
  • 道路混雑将来予測データ

など

デジタルツイン技術エキスパート

さまざまな業界・業種のお客さまのデータを使ったサービス提供を支援してきたNTTデータの実績・経験による、データ分析やAI、シミュレーション技術、数理最適化といったデジタルツイン技術のエキスパートが、ユースケース創出のためのワークショップや、実際にデータ分析を行いながらプロトタイピング、実証実験まで支援

<データ活用技術の例>

  • 言語処理BERT:偏在しデータ形式が異なる企業内データを関連性分析して検索
  • 数理最適化:最適な事業効果(コストや利益)を生み出すビジネスプロセスをモデル化して、意思決定を支援
  • 時空間分析:さまざまな位置・時系列データに意味づけをして、これまで見えなかったエリア内の生活者の動態や属性を推定
  • AI開発方法論:倫理、コンプライアンス上のチェックを含めたAIシステムの総合的な開発・品質を保証

セキュアなデジタルツイン基

IOWN構想注2の成果とNTTデータの社会インフラ構築の経験・実績による安全・安心なデータ連携や大量データ処理を可能とする開発・実証基盤を提供

<セキュアデータ連携技術の例>

  • 秘密計算・匿名化:そのままでは社外に出せないデータを秘匿化した状態で活用可能
  • 並列分散:従来の計算基盤でできない処理を複数のコンピューティングリソースでの分散処理により、高速で処理可能

今後について

顧客や既存の外部共創フィールドと連携してデジタルツインの新たなユースケースやビジネス創出を推進するとともに、NTTグループのIOWN構想のもと、NTTグループの用意する案件での実証やIOWN成果を取り込むことでサービスの高度化を図っていきます。

注釈

注1 出典 IDC Japan「グローバルで1年間に生成されるIoTデータ/非IoTデータの量およびIoT接続数」
注2 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。

※
「IOWN」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。
※
商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件の参照先:https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/040500/

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