2022.5.12:AIを搭載した大腸内視鏡画像診断支援プログラム、薬機法の新制度IDATEN変更計画承認取得のお知らせ (Cybernet)


「EndoBRAIN-EYE」の計画的なバージョンアップによってよりAI精度を高めた製品を迅速に医療現場へお届けします。

サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、昭和大学横浜市北部病院消化器センターの工藤進英教授、名古屋大学大学院情報学研究科の森健策教授らのグループと共同開発したAIを搭載した大腸内視鏡画像診断支援プログラム「EndoBRAIN-EYE®(エンドブレインアイ)」について、改正薬機法の新制度「医療機器の特性に応じた変更計画の事前確認制度(通称:IDATEN制度)」の承認を取得したことをお知らせいたします。

EndoBRAIN-EYEとは


EndoBRAIN-EYEは、国内5施設(昭和大学横浜市北部病院、国立がん研究センター中央病院、静岡県立静岡がんセンター、東京医科歯科大学医学部附属病院、公益財団法人がん研究会有明病院)が学習画像を提供し、名古屋大学大学院情報学研究科森健策研究室がAIエンジンを開発、サイバネットにより実装開発された医療機器ソフトウェアです。大腸内視鏡で撮影された内視鏡画像をAIが解析し、ポリープなどを検出すると警告を発し、医師による病変の発見を補助します。本ソフトウェアはオリンパス社製の汎用大腸内視鏡に使用でき、多くの機種と組み合わせて使用することができます。

2020年6月、AIを搭載した内視鏡画像診断支援機器として医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法、医薬品医療機器等法)※1に基づいたクラスⅡ・管理医療機器(承認番号:30200BZX00208000)※2として承認を取得し、製品として販売が可能となりました。

IDATEN制度による承認で、性能向上した製品をより早く医療の現場へ

改正薬機法の新制度「IDATEN」とは

「医療機器の特性に応じた変更計画の事前確認制度(通称:IDATEN制度(Improvement Design within Approval for Timely Evaluation and Notice))は、「医療機器の特性に応じ将来改良が見込まれている医療機器について、その改良計画自体を承認する制度」として、令和2年に厚生労働省医薬・生活衛生局により導入されました※3。本制度の開始により、予め性能変更(バージョンアップなど)計画の承認を受けておくことで、変更届を提出するだけで改良後の製品販売が可能となります※4。

承認取得により、AI精度を高めた製品を迅速に提供可能に

AIを用いた医療機器プログラムは、学習データを頻繁に更新することで精度が上がり、性能向上が見込めます。しかしこれまでは、薬機法の承認を取得した医療機器等の性能変更を行う場合、その都度「一部変更承認申請」が必要でした。これには約4~6ヶ月におよぶ審査期間や大きな費用負担を伴うことから、性能向上後の製品をすぐに医療現場に提供することができませんでした。

この度EndoBRAIN-EYEの性能変更計画がIDATEN制度の承認を受けたことにより、性能が向上した製品をより迅速に提供することが可能となりました。今後は、内視鏡医と患者の皆さまの負担軽減のために、より一層製品の改良に力を入れ、1日でも早く医療現場にお届けすることを目指します。

EndoBRAIN-EYEの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/medical-imaging/products/endobrain

注釈

※1: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法):薬機法ともよばれる法律で、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器および再生医療等製品の品質、有効性および安全性を確保し、医療機器の安全対策強化や、医薬品・医療機器・再生医療等製品などの販売・利用について承認・規制を目的とするもの。この法律では診断・治療を目的としたソフトウェアも対象となる。
※2: 医療機器は多種多様であるため、患者に与えるリスクに応じて、一般医療機器(クラスⅠ)、管理医療機器(クラスⅡ)、ならびに高度管理医療機器(クラスⅢとクラスⅣ)に分類されている。クラスⅡ・管理医療機器は不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもので、レントゲン撮影装置や心電計、注射針、EndoBRAIN-EYEのような一部の診断支援プログラムが該当する。
※3: 「医療機器の変更計画の確認申請の取扱いについて」厚生労働省医薬・生活衛生局発行(薬生機審発0831第14号 令和2年8月31日)
https://www.pmda.go.jp/files/000236900.pdf
※4: 「医療機器の特性に応じた変更計画の事前確認制度」:【出典】独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「新しい承認申請制度の紹介 ~医療機器に特化した承認制度~」14頁(2021年12月発表)
https://www.pmda.go.jp/files/000244067.pdf

サイバネットについて

サイバネットシステム株式会社は、CAE※のリーディングカンパニーとして30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。また、IT分野では、サイバー攻撃から情報資産を守るエンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティなどのITセキュリティソリューションを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。

企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。

サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。 
https://www.cybernet.co.jp/

※ CAE(Computer Aided Engineering):ものづくりの研究・開発工程において、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすことで、開発期間や資材コストを大幅に削減できるメリットがある。

※記載されている会社名および製品名は、各社の商標および登録商標です。

本件の参照先:https://www.cybernet.jp/company/about/news/press/2022/20220512.html

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