2022.6.20:NEC、PLMクラウドサービス「Obbligato for SaaS」を強化


~環境コンプライアンス対応強化とDX推進に貢献~

NECは、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(Product Lifecycle Management、注1)ソフトウェアで国内トップシェア(注2)の「Obbligato(オブリガート)」のクラウドサービス「Obbligato for SaaS」に新たな機能を追加して、本日より販売活動を開始します。

今回、製造業における環境コンプライアンス対応強化とDX推進を目的に、新たに含有化学物質管理機能や開発プロジェクト管理機能を本サービスに追加します。含有化学物質管理機能をPLM機能とともにパブリッククラウドサービスとして提供するのは国内初となります。

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背景

製造業の中でも電機電子業界と自動車業界では、製品に含有する化学物質情報の調査結果を伝達する様式・集計方法や規制対象物質が異なるため、両業界へ納めるサプライヤ(川中・川下企業)は、それぞれの様式や規制に対応する必要があります。さらに、規制対象物質や調査様式の頻繁な改変、国別の対応に加えて、さらなる法規制遵守が厳格化する中、効率的に管理できるシステムが求められています。

また、近年、製造業においてもデジタル技術を活用したビジネス変革(DX)への取り組みは加速しており、製品ライフサイクル全般にわたり発生するデータと開発プロセスのデジタル化・共有・利活用できる情報共有基盤PLMが重要な企業戦略となっています。

今回NECは、製品に含有する化学物質の集計判定や部品・材料の調査回答業務を行う含有化学物質管理機能と、製品開発プロジェクトの進捗や負荷状況の見える化を実現する開発プロジェクト管理機能を「Obbligato for SaaS」に追加します。これにより、サプライチェーンの環境コンプライアンス対応やDX推進を加速し、製造業のサステナブルな事業経営の実現に貢献します。

新機能について

  1. 含有化学物質管理機能
    NECがこれまで提供してきた含有化学物質管理パッケージソフトのProChemist/BM(注3)をObbligatoに統合し、パブリッククラウドサービスとして提供します。本クラウドサービスの利用により、環境法規制や業界動向への追従、調査様式や対象物質の改変に合わせたタイムリーな対応が可能となり、ITリソースが十分でない中堅・中小企業のお客様も含有化学物質管理機能を手軽に利用することができます。
    また本サービスは、電機電子業界が利用している標準スキームchemSHERPA(注4)および、自動車業界が利用している化学物質情報交換サービスIMDS(注5)と連携します。NECは、chemSHERPAを検討する中核メンバーである知見を活かし、2024年度に両業界統一の方式を目指しているchemSHERPAの新たなバージョンにも対応する予定です。
    さらに本サービスは、規制物質対応だけでなく、紛争鉱物対応調査(CMRT、注6)」に標準で対応します。
  2. 開発プロジェクト管理機能
    これまで「Obbligato for SaaS」で提供していた設計や生産の部品表、図面や仕様書など多種多様な技術情報の管理や設計変更管理機能に加えて、今回新たに、開発プロジェクト管理機能を追加します。製品開発プロセスの標準化・成功プロジェクトのノウハウ活用によりミス削減や製品の品質向上だけでなく、プロジェクト進捗の可視化による意思決定を迅速化し、開発遅延による機会損失などの開発リスクを回避します。開発プロジェクト管理機能の追加により、PLM利用範囲が設計から製品ライフサイクル全般に広がります。本サービスは、PLMを導入していない中堅・中小企業のお客さまをはじめ、PLM導入前評価に利用するなど、早く安く手軽にPLMを利用することができ、製品情報のデジタル化・共有・利活用を促進し、DX推進に貢献します。

製品名、提供開始日、提供価格、提供目標

製品名:Obbligato for SaaS
提供開始日:2022年7月1日
提供価格:初期費用240万円~
     月額16万円~
     (※含有化学物質管理機能を20名で利用する場合)
提供目標:今後3年間で200社

なお、NEC は本製品を「第 34回 設計・製造ソリューション展(DMS)」(会期:6/22(水)~24(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))で展示します。

NECは、今後も製造業のものづくりの現場とデジタルを融合して多様化するニーズに対応していきます。また、強いものづくり経営や新しいサービスビジネスの創出に寄与するソリューションの開発に取り組むことで、人やモノ、プロセスの情報・状態をバリューチェーン全体で共有し、新たな価値を生み出す「NEC Value Chain Innovation」(注7)をお客さまと共に実現していきます。

以上

(注1) 製品開発の過程で発生する膨大かつ多種多様な技術情報を製品構成情報(BOM:Bill Of Materials)に紐付け、製品ライフサイクルにわたって統合管理することで、製品開発力の強化を目指す改革・取り組み。
(注2) 株式会社テクノ・システム・リサーチ「2021年機械系CAD/PLM関連ビジネス市場分析調査」(2021年8月)
(注3)
 現在、ProChemist/BMをご利用のお客さまは、Obbligato for SaaSに移行しておくことで、chemSHERPA Ver3(2024年予定)に無償で移行が可能。
(注4)
 chemSHERPA とは、製品に含有される化学物質の情報伝達をサプライチェーン全体で効率化するため、経済産業省主導で2015年にリリースされたデータ標準化スキーム。国際標準IEC62474データ定義に準拠し、5年に一度の様式改定が見込まれている。
(注5)
 IMDSとは、自動車業界で利用されているサプライチェーン化学物質情報交換サービス。
(注6)
 紛争鉱物調査(CMRT)とは、紛争地域の武装勢力に加担しないように、資金源となっている3TG(錫、タンタル、タングステン、金)が自社の製品に含まれていた場合、その原産国(精錬業者)を特定するための調査。調査するための国際標準フォーマットをCMRT(Conflict Minerals Reporting Template)という。
(注7)
 NEC Value Chain Innovation
最先端のデジタル技術を活用し、お客さまとの共創活動を通じて、人やモノ、プロセスを企業・産業の枠を超えてつなぎ、新たな価値を生み出すNECの事業領域。地球との共生、企業の持続的な成長と人が豊かに生きる社会の実現に貢献。
参考URL:https://jpn.nec.com/nvci/index.html

本件の参照先:https://jpn.nec.com/press/202206/20220620_01.html

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