2022.7.12:インペリアル・カレッジ・ロンドンと日立が、脱炭素・自然気候ソリューションの開発加速に向けて共同研究センターを設立


(本リリースは英国において7月11日(月)に発表したものです。日本では7月12日(火)に配信しました。)

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調印式の様子

  インペリアル・カレッジ・ロンドン(以下、インペリアル大)と、株式会社日立製作所および日立ヨーロッパ社(以下、日立)は、このたび、脱炭素化および自然気候ソリューション(自然を活用した気候変動対策)の開発を加速するため、共同研究センターを設立する契約を締結しました。3者は今後、ネットゼロ社会を実現するため、脱炭素化や気候変動対策などの基礎研究・応用研究に取り組んでいきます。

  新設する共同研究センターでは、基礎・応用研究プログラムを立ち上げ、ネットゼロに向けた課題や技術、そしてネットゼロを実現した時に起こり得るシナリオに関する研究プロジェクトを実施し、レポートやホワイトペーパーを作成します。また、同センターでは、この分野の次世代の科学者や技術者の育成にも貢献していきます。

  初期のプロジェクトでは、エネルギーや運輸産業におけるカーボンマネジメントや脱炭素化に加え、二酸化炭素の除去、生物多様性などについて、新技術やソリューションに取り組む予定です。また、共同研究センターは、様々な専門分野の研究者を集めることで、分野をまたいだ包括的な研究プログラムを構築するためのプラットフォームとなります。さらに、技術や社会経済・政策の観点を取り入れたシステム思考的アプローチを採用することで、革新的かつ幅広く展開可能なソリューションを提供していきます。

インペリアル大の環境への取り組み

  インペリアル大は、気候変動に対するソリューション開発に積極的に取り組み、よりサステナブルな社会の実現に貢献しています。インペリアル大の「Transition to Zero Pollution」の取り組みは、持続可能な汚染ゼロの未来というビジョンを実現するために、基礎科学や工学、システム思考、ヒューマンヘルス、新しいビジネスモデル、政策立案などに関して、研究・産業・政府間での新たなパートナーシップの構築をめざしています。

日立の環境への取り組み

  日立は、「脱炭素社会」「高度循環社会」「自然共生社会」の実現に向けて環境ビジョンを掲げており、プラネタリーバウンダリーを超えない社会の維持と一人一人のウェルビーイングの実現が両立した、サステナブルな社会の実現に貢献しています。ネットゼロ社会へのコミットメントを示すとともにClimate Change Innovatorになることをめざして、2020年には国連が支援する「Race to Zeroキャンペーン」に参加したほか、2021年のCOP26のプリンシパル・パートナーとなるなど、ステークホルダーとともに気候変動対策への包括的なアプローチを提唱してきました。日立は、欧州におけるモビリティ・エネルギー分野での強力なプレゼンスをもとに、日立グループのグローバルフットプリントとグリーン事業のポートフォリオを活用し、環境課題に対してend-to-endのソリューションを展開していきます。

インペリアル大と日立の共同研究について

  本契約に基づくプロジェクトは、インペリアル大工学部教授のメアリー・ライアンと、日立ヨーロッパ社CTOの杉村和之を含む、両者の代表者が共同でリードしていきます。

  インペリアル大の「Transition to Zero Pollution」をリードするメアリー・ライアンは、「二酸化炭素が最も大きな原因の一つである地球環境汚染への対策は、かつてないほど急務となっています。この共同研究センターは、脱炭素化と気候変動の修復における世界有数の科学者とイノベーターを集め、気候変動の危機に対する新しい技術と解決策を開発することを目的としています。インペリアル大と日立は、よりクリーンなエネルギーの開発などに向けて緊密に協力し、この新しい共同研究センターによって、汚染ゼロの未来に向けた取り組みを加速していきます。」と述べています。

  また、共同研究センターにおいて日立側の研究をリードする、日立ヨーロッパ社欧州R&Dセンター サステナビリティ・ラボラトリーマネージャのデビッド・グリーンは、「温室効果ガスの排出を抑制し、ネットゼロを達成することは極めて重要です。しかし、ネットゼロを実現しても、大気中に残留する高レベルの二酸化炭素が引き起こす深刻な社会・環境問題に直面するでしょう。これまでのインペリアル大とのコラボレーションをベースに、科学研究、ビジネス、政策に関するインペリアル大の専門知識を生かした新しい共同研究センターを開設できることを、大変うれしく思います。」と述べています。

インペリアル・カレッジ・ロンドンについて

  インペリアル・カレッジ・ロンドンは、世界有数の大学の一つです。22,000人の学生と8,000人のスタッフが、科学や医学、工学、ビジネスにおける大きな課題を解決するために取り組んでいます。

  タイムズ紙とサンデー・タイムズ紙が行う「Good University Guide」において「University of the Year 2022」に選出されたほか、タイムズ・ハイヤー・エデュケーションによると世界で5番目に国際的な大学であり、150カ国以上と学術的に連携しています。卓越した起業家精神と産業界との結びつきから、ロイター通信には英国で最もイノベーティブな大学として選出されています。

  また、Research Excellence Framework(REF)によると、世界をリードする研究の割合が英国の大学の中で最も高く、英国の大学団体であるラッセルグループの中でも、英国1位の研究成果、英国1位の研究環境、そして1位の研究インパクトを有しています。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。

日立のウェブサイト
Lumadaについて

日立ヨーロッパ社について

  日立製作所の子会社である日立ヨーロッパ社は英国セフトンパークに本社を置き、社会イノベーション事業に注力して、社会課題に応えるイノベーションを提供しています。日立ヨーロッパ社およびその子会社はEMEA地域で事業や研究開発を展開し、情報通信システム、鉄道システム、電力・産業システム、産業用部品・機器、オートモティブシステム、デジタルメディア・民生機器など幅広い製品を提供しています。

日立ヨーロッパ社のウェブサイト

本件の参照先:https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/07/0712a.html

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