2022.9.6:日立、MESやSCADAなど製造現場系OT・ITが主力の米国SI企業を買収


北米でロボティクスSIとデジタルソリューションを融合した提案力を強化し、トータルシームレスソリューション展開を加速

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Flexware Innovation社を含めた、北米を軸としたインダストリー分野向け事業戦略

  株式会社日立製作所(以下、日立)は、8月31日に、製造業を中心としたインダストリー分野向けに、主にMES*1(製造実行システム)やSCADA*2(監視制御システム)などの製造現場系OT*3・IT領域のシステムインテグレーション(SI)事業を手掛ける米国のFlexware Innovation, Inc. (フレックスウェア イノベーション インコーポレーテッド/以下、Flexware Innovation社)の買収を完了しました。

  今回のFlexware Innovation社の買収により、北米においてOT・IT領域の事業強化を図り、ロボティクスSI事業を手掛けるJRオートメーション*4を軸としたデジタル化を加速します。さらに、ERP*5やクラウド事業などを展開するHitachi Vantaraなどとの連携により、製造現場の膨大なデータが集まるロボティクスSIからMES、SCADA、ERPまで、現場と経営をデータとデジタルでつなぐ「トータルシームレスソリューション*6」を提供できる体制となります。これにより、お客さまの課題解決と、さらなる事業価値の向上に貢献します。

*1 MES: Manufacturing Execution System
*2 SCADA: Supervisory Control And Data Acquisition
*3 OT(Operational Technology): 制御・運用技術
*4 2019年4月24日発表の日立ニュースリリース「日立が米国のロボットシステムインテグレーターJRオートメーション社の買収契約を締結」
*5 ERP(Enterprise Resource Planning): 統合基幹業務システム
*6 「トータルシームレスソリューション」は、株式会社日立製作所の日本における登録商標です。

背景

  近年、製造業をはじめとしたインダストリー分野では、さらなる生産性・品質向上や新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした自動化ニーズの高まり、さらには自然災害や地政学リスクの増加に伴うレジリエンスへの対応など事業環境は急激かつ複合的に変化しています。こうした環境下、業務・組織・企業間の「際*7」の課題が顕在化しており、シームレスな課題解決が重要となっています。

*7 「際(きわ)」は、株式会社日立製作所が日本において商標登録出願中です。

日立の北米におけるインダストリー分野向け事業戦略

  日立は、インダストリー分野において、プロダクト、OT、ITを併せ持つ強みを生かし、Lumada*8を活用して現場と経営、サプライチェーンの間にある「際」の課題をデジタル技術で解決し、新しい事業価値を創出する「トータルシームレスソリューション」をグローバルに展開していくことを基本方針として掲げています。

  なかでも同分野の高い市場成長が見込まれ、かつ先進のデジタル技術の導入が進む北米を注力地域に位置付け、2017年に空気圧縮機事業を手掛けるSullair*9、2019年にロボティクスSI事業を手掛けるJRオートメーションを買収し、さらに両社を含めた北米におけるインダストリー分野のグループ会社を2020年に設立した北米統括会社Hitachi Industrial Holdings Americas *10の傘下に集めて一体運営を強化するなど、成長への基盤を固めてきました。

*8 Lumada: お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。
*9 2017年7月6日発表の日立ニュースリリース「米国空気圧縮機メーカー買収に係る譲渡実行日決定に関するお知らせ」
*10 2020年4月1日発表の日立ニュースリリース「北米地域におけるインダストリー事業の強化に向け、北米統括会社「日立インダストリアルホールディングスアメリカ社」発足」

Flexware Innovation社買収の狙い

  Flexware Innovation社は、主に製造業の現場の制御機器導入から、その運用制御、ERPに至るまでのSI技術や開発力を有しており、特に、現場と経営をつなぐCPSの要となるOT・IT領域のMESやSCADAに強みがあります。こうしたトータルなSIを、主に北米のライフサイエンス、自動車部品、食品・飲料などの幅広い分野のお客さまに提供しており、ここ数年、顕著な事業成長を遂げています。

  今回のFlexware Innovation社の買収の目的は以下のとおりで、インダストリー分野のグローバルな事業成長を加速していきます。

(1) 高成長が見込まれる北米におけるMESやSCADAのSI事業を強化・拡充。北米の製造業を中心としたインダストリー分野向けに、JRオートメーションのロボティクスSIおよびFlexware Innovation社のMES、SCADAなどの製造現場系のOT・ITとデジタルのケイパビリティを強化、さらにHitachi VantaraなどのERP(IT)やクラウド事業を組み合わせたワンストップの提案力を向上させ、北米における「トータルシームレスソリューション」の展開を加速。

(2) Flexware Innovation社の幅広い領域のSI技術・開発力、および優良な顧客基盤を獲得し、日立の持つLumadaによるデジタル技術・知見やグローバルネットワークなどのケイパビリティとのシナジーにより、北米における事業成長を創出。

日立製作所 執行役常務 インダストリアルデジタルビジネスユニットCEO 森田和信のコメント

  「Flexware Innovation社を日立グループに迎えることができ、大変嬉しく思っています。今後北米において、日立が持つプロダクト、OT、ITと先進のデジタル技術を活用したLumada、さらにはFlexware Innovation社のSI技術・開発力とJRオートメーションのロボティクスSIなどを組み合わせたデジタル化の加速により、お客さまの課題解決、事業価値の最大化に取り組んでいきます。」

Flexware Innovation社 創業者かつPresident & CEO スコット・ウィトロックのコメント

  「Flexware Innovation社のメンバーはお客さまの課題を解決することに情熱を注いでいます。この新しい日立とのパートナーシップにより、我々は、強力なビジョンを持ちグローバルテクノロジー企業として尊敬される日立と一緒に、より大きなステージで事業を展開できます。これまで育ててきたFlexware Innovation社のユニークな文化は、日立創業の精神と完全に融合するものです。これから共にする我々の未来をとても楽しみにしています。」

  なお、スコット・ウィトロックはFlexware Innovation社のPresident & CEOとして、Hitachi Industrial Holdings Americasの経営陣とともに、引き続き同社を率いていきます。

Flexware Innovation社の概要

  • 名称Flexware Innovation, Inc.
  • 所在地アメリカ合衆国 インディアナ州フィッシャーズ、バルパライソ
  • 代表者の役職・氏名President & CEO, Scott Whitlock
  • 事業内容製造業向けシステムインテグレーション、コンサルティング、サービス
  • 設立年1996年
  • Webサイトhttps://www.flexwareinnovation.com/

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向けITサービスやお客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は10兆2,646億円、2022年3月末時点で連結子会社は853社、全世界で約37万人の従業員を擁しています。

以上

本件の参照先:https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/09/0906b.html

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