2023.4.21:シーメンスとマイクロソフト、生成型AIで工業生産性向上を目指すと宣言


この資料は2023年4月12日に米国テキサス州プラノより発表されたプレスリリースを翻訳したものです。

  • シーメンスが新しいTeamcenterアプリでAI活用を進めるためMicrosoft Teamsと連携、製品ライフサイクル全体で生産性と革新性向上を目指す 
  • Azure OpenAI Serviceのパワーで、ファクトリー・オートメーション向けソフトウェアのコードの作成、最適化、デバッグを増強
  • 産業向けAIが作業現場での高精度外観検査を実現

シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア(以下シーメンス) とマイクロソフト社は、Generative Artificial Intelligence (生成型AI) の汎用応用力を活用し、製品の設計、エンジニアリング、製造、オペレーションのライフサイクル全体で工業企業によるイノベーションと効率化の推進を支援していきます。企業は部門間コラボレーション強化のために、両社はシーメンスの製品ライフサイクル管理 (PLM) ソリューション、Teamcenter®ソフトウェアと、マイクロソフトのコラボレーション・プラットフォーム、Teams、Azure OpenAI Serviceの言語モデル、その他のAzure AI機能の統合を進めます。Hannover Messeにおいて両社は、生成型AIが、AIを利用したソフトウェア開発、問題検知、品質外観検査においてファクトリー・オートメーションとオペレーションをどのように強化していくか、ご紹介します。

マイクロソフトのCloud + AI担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるスコット・ガスリー (Scott Guthrie) 氏は次のように述べています。「AIがテクノロジー・プラットフォームに統合されることで、我々の働き方やあらゆる事業の方法は大きく変わるでしょう。シーメンスとの連携で、私たちはより多くの工業組織にAIの力を提供し、ワークフローの簡素化、サイロの克服、より包括的な方法によるコラボレーションを実現し、お客様中心のイノベーションを加速させます」

現場作業員と業務横断チームを結ぶのは、AIベースのコラボレーション・アプリ 

シーメンスとマイクロソフトは、2023年中に提供開始を予定しているMicrosoft Teamsとの連携機能を強化した新しいTeamcenterアプリで、設計エンジニア、現場作業員、そして他の部署との間で、より迅速に、それぞれのフィードバックを共有し、共同で課題を解決することを目指します。たとえば、サービス・エンジニアや製造作業員は、自然な言葉でモバイル・デバイスに問いかけるだけで、製品の設計や品質に関する懸念事項について文書にまとめ、報告することができます。アプリは、その問いかけのデータをAzure OpenAI Serviceで解析、要約し、レポートを自動的に作成し、Teamcenter内で設計、エンジニアリング、担当のエキスパートに共有します。また、インクルージョン促進のため、作業員は自分の母国語での観察結果録音を可能にしました。録音内容は、Microsoft Azure AIによって企業の公用言語に翻訳されます。Microsoft Teamsが提供するプッシュ通知などの便利機能は、ワークフローの承認を簡略化し、設計変更リクエストに要する時間は短縮、イノベーション・サイクルをスピードアップさせます。Teamcenterアプリは、Microsoft Teamsとの連携で、まだPLMツールを活用できていない何百万人もの作業員にも、既存のワークフローへの参加の範囲で、より自然に設計、製造プロセスへの貢献度を高められるようにします。  

AIを活用したオートメーション・ソフトウェア・エンジニアリングが製造の現場を動かす

世界中で、工場のほとんどの機械を制御しているのは産業用コンピューター、PLC (Programmable Logic Controllers) です。シーメンスとマイクロソフトは、ソフトウェア開発者やオートメーション・エンジニアがPLCのコードをより迅速に生成できるようにするため、協力を惜しみません。Hannover Messeにおいて両社は、OpenAIのChatGPTやその他のAzure AIサービスが、シーメンスのインダストリアル・オートメーション・エンジニアリング・ソリューションをどのように強化するかというテーマでデモを実施しました。このデモでは、自然言語入力によってPLCコードを生成させ、エンジニアリング・チームの作業時間を大幅に短縮、エラーの可能性を削減できることを紹介しました。このような技術は、メンテナンスの面でも応用可能です。エラーの特定からステップバイステップの解決策まで、より迅速に進められるようになります。 

シーメンスAG取締役兼シーメンスデジタルインダストリーズCEOのセドリック・ニイク (Cedrik Neike) は次のように述べています。「強力で先進的なAIの技術は、デジタル・トランスフォーメーションの重要なカギの一つとなりました。シーメンスとマイクロソフトは、ChatGPTのようなツールの導入を通じてあらゆる規模の企業で働く人たちが新しい方法でコラボレーションし、イノベーションを起こせるように力を合わせています」 

産業向けAIで製品不具合を検出、予防 

製品の欠陥は、早期に発見することが重要です。遅れれば、その分だけ生産調整に余計なコストと時間が掛かります。コンピューター・ビジョンのような産業向けAIは、品質管理の作業件数を大幅に拡大し、製品のばらつきをより容易に特定させます。その活用で、品質管理チームはリアルタイムの生産調整をより迅速に行うことができます。シーメンスとマイクロソフトは、Hannover MesseでMicrosoft Azure Machine LearningとシーメンスのIndustrial Edgeの連携を紹介しています。カメラやビデオで撮影した画像を機械学習システムで解析し、作業現場にAIビジョン・モデルを提供、それを用いた様々なモデルの構築、活用、実行、モニターへの適用を実証します。

今回のコラボレーションは、35年以上にわたる数千社のお客様とのジョイント・イノベーションに基づき、シーメンスとマイクロソフトの長年にわたる戦略的協力関係の成果の1つです。この他にも、予防的保守をエンタープライズ規模に拡大できるSenseye on Azure>、TeamcenterなどのSiemens Xceleratorオープン・デジタル・ビジネス・プラットフォームのソリューションのAzure対応などの成果を生み、Microsoft Cloudでビジネス・アプリケーションをホスティングしたいお客様の期待に応え続けています。シーメンスは、Microsoftのゼロトラスト戦略の一部を担うべく同社と連携しています。

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・変革を牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。

シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、インダストリー、インフラストラクチャー、交通、ヘルスケアを中核事業とするテクノロジーカンパニーです。資源効率の高い工場、弾力的な供給網、スマートなビルや送電網から、清潔で快適な交通、先進医療に至るまで、目的をもったテクノロジーを開発することで、お客様のために実質的な付加価値を提供します。シーメンスは、デジタルと現実世界を結びつけることで、顧客企業が産業や市場を変革するための力になり、数十億もの人々の日常を変えていく上での支えとなります。またシーメンスは、世界的な大手医療技術プロバイダーとしてヘルスケアの未来を創造する上場企業Siemens Healthineersの過半数の株式を保有しています。さらにシーメンスは、送電および発電分野における世界のリーダー企業シーメンスエナジーの過半数未満の株式を保有しています。2022年9月30日に終了した2022年度において、シーメンスグループの売上高は720億ユーロ、純利益は44億ユーロでした。2022年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は31万1000人です。詳しい情報は、http://www.siemens.comにてご覧いただけます。

本文書には当社の将来の事業および財務業績、将来のできごともしくはシーメンスを含めた開発に関する記述が含まれており、これらは将来予測に関する記述に該当する可能性がありますこれらの記述は、「期待する」、「楽しみにする」、「予期する」、「意図する」、「予定する」、「信じる」、「求める」、「見積もる」等の表現によって特定される可能性がありますが、この限りではありません。

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