2023.5.12:SAPとGoogle Cloudがパートナーシップを拡張し企業向けのオープンデータとAIの未来を構築


新サービスではSAPとGoogle Cloudのデータおよび分析技術を統合
企業データをよりオープンかつ価値あるものにすることで、企業のAI開発を促進

(本リリースは、5月11日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)

SAP SE(NYSE:SAP)とGoogle Cloudは本日、パートナーシップを大幅に拡張し、データ環境をシンプルにしてビジネスデータの力を引き出すよう設計された包括的なオープンデータサービスを提供することを発表しました。本サービスにより、お客様はSAP(R) DatasphereソリューションとGoogleのデータクラウドを組み合わせて、企業全体からデータを取り込むエンド・ツー・エンドのデータクラウドを構築できるようになります。これにより、企業はデータ資産全体をリアルタイムで確認し、Google CloudとSAPソフトウェアの投資から最大限の価値を引き出すことができるようになります。

データはデジタルトランスフォーメーションとAI開発の基盤となるものです。

企業は、蓄積してきたデータの価値を実感するまでに、複雑なデータ統合、カスタム分析エンジン、ジェネレーティブAIや自然言語処理(NLP)モデルの構築など、多大なリソースを費やしています。特にSAPシステムから得られるデータは、組織にとって最も貴重な資産の1つであり、サプライチェーン、財務予測、人事記録、オムニチャネル小売などに関する重要な情報を含んでいます。SAP Datasphereは、ミッションクリティカルなデータがどこに置いてあるかに関係なく、企業全体のデータとして統合します。あらゆるデータソースからSAPデータと非SAPデータをGoogle Cloud上で簡単に組み合わせることができれば、企業はビジネスに関連する明確に定義されたデータ基盤を使用することで、デジタルトランスフォーメーションを劇的に加速することが可能になります。

SAP SEのCEO兼エグゼクティブ・ボード・メンバーであるクリスチャン・クライン(Christian Klein)は次のように述べています。「SAPのシステムとデータをGoogleのデータクラウドに統合することで、企業はあらゆるデータからより多くの価値を引き出すための全く新しい機会を得られます。SAPとGoogle Cloudは、オープンデータへの取り組みにコミットしており、パートナーシップの拡張は、異なるシステム、データベース、環境に保存されたデータ間の壁を取り払うのに役立ちます。私たちのお客様は、当社のシステムにすでに組み込まれているビジネスAIだけでなく、統合されたデータ基盤からも恩恵を受けることができます」

Google CloudのCEOであるトマス・キュリアン(Thomas Kurian)は、次のように述べています。

「SAPとGoogle Cloudは、エンタープライズAIの将来の基盤となる、非常に包括的でオープンなデータクラウドを提供することが可能になりました。デジタルトランスフォーメーションにとって、データほど重要なリソースはありません。SAPのデータとシステムを我々のデータクラウドと統合することで、お客様はGoogle Cloudの分析機能だけでなく、高度なAIツールや大規模言語モデルを活用して、データから新しい見識を見出すことができるようになります」

SAPとGoogle Cloudが提供する新しいオープンデータサービスは、Google Cloudのお客様や、Google Cloud上でRISE with SAPソリューションを利用するお客様に、以下の機能を提供します。

  • ビジネスクリティカルなデータにリアルタイムでアクセス: SAP DatasphereとGoogle Cloud BigQueryの統合により、お客様は最も重要なデータに、重複することなくリアルタイムで簡単にアクセスできるようになります。また、SAP S/4HANA(R)やSAP HANA(R) CloudなどのSAPソフトウェアシステムのデータを統合できるため、Googleのデータクラウド上で最も重要なデータを包括的に把握できるようになります。
  • データ環境の簡素化:SAPとGoogle Cloudは、強力なデータレプリケーションおよびフェデレーション技術を共同開発しました。これにより、企業はSAPソフトウェアのデータをBigQuery環境に簡単に統合し、SAPとGoogle Cloudの最先端のデータ分析機能を活用できるようになります。また、お客様はSAP DatasphereとBigQueryを横断するクエリをフェデレーションし、SAPと非SAPのデータを結合することができるようになりました。これにより、マーケティング、販売、財務、サプライチェーンなどにわたるソースで発生するデータのサイロ化を解消することができます。例えば、卸売業の流通モデルを持つお客様は、製品が販売経路を経て顧客に届くまでの過程において、その全容を把握することができます。
  • Google Cloudの高度なAIおよび機械学習(ML)モデルにより、信頼性の高いインサイトを作成:GoogleのAIおよび 機械学習(ML)のサービスを利用して、SAPおよび非SAPシステムからのデータに基づいて、モデルをトレーニングすることができます。
  • 高度な分析を実行:Google CloudのSAP Analytics Cloudソリューションの分析機能を活用して、モデルの精度を向上させながら、財務やビジネスの成果を分析することができます。SAP Datasphereを使用してBigQueryのデータを簡単に統合することで、お客様は単一かつ包括的な視点でビジネスの計画を立てることができます。
  • サステナビリティのために共同ソリューションを活用:SAPとGoogle Cloudは、SAP DatasphereとGoogle Cloudが提供する広範なESGデータセットやインサイトを組み合わせて、実用的なインサイトでサステナビリティに向けた取り組みを加速する方法を模索しています。
  • グローバルでGoogle Cloud上のSAP(R) Business Technology Platform(SAP BTP)を利用:SAP は、SAP Analytics CloudとSAP Datasphereのサポートを含む、SAP BTPとSAP HANA Cloud on Google Cloudの地域サポートを拡大することで、マルチクラウドサービスを推進します。SAPとGoogle Cloudは、今年新たに5つのリージョンでSAP BTPの提供を開始し、2025年までに合計8つのリージョンでサポートすることを計画しています。

また、両社は、企業の最大のデータプロジェクトに対するマーケティング活動でも連携し、お客様がSAPとGoogle Cloud両社のデータ製品を単一のサービスの一部として採用できるようにする予定です。SAP Sapphire(R)の来場者は、Google Cloudのブースにて、AIとデータに関する共同ソリューションのデモをご覧いただけます。例えば、チャットボットによる購入希望商品の検索、作成、編集など、一般的なワークフローやアプリケーションにジェネレーティブAIを適用する方法などが挙げられます。Sapphireカンファレンスは、2023年5月16日~17日にフロリダ州オーランドで開催されます。

以上

Google Cloudについて

Google Cloudは、あらゆる企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。Googleの最先端技術を活用したエンタープライズグレードのソリューションを、業界で最もクリーンなクラウド上で提供しています。200以上の国と地域のお客様が、成長を実現し、最も重要なビジネス上の課題を解決するための信頼できるパートナーとして、Google Cloudを利用しています。

SAPジャパンについて

SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAPの戦略は、あらゆる企業がインテリジェントエンタープライズになるよう支援することです。SAPは、エンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア市場のリーダーとして、あらゆる業種・規模の企業の成功を支えており、世界中の商取引売上の87%は、SAPのお客様によって生み出されています。SAPのマシンラーニング、IoT、高度なアナリティクスの技術は、すべての企業のビジネスをインテリジェントエンタープライズに変革することを支援しています。さらにSAPは、人々や組織が的確なビジネス判断を行うための洞察力を深めるサポートをし、高い競争優位性を実現するための協業を促進しています。よりシンプルになったSAPの技術により、企業はボトルネックにわずらわされずに目的に沿ってソフトウェアを最大限に活用できるようになります。SAPのエンド・ツー・エンドのアプリケーションスイートとサービスは、世界25業種における企業および公共事業のお客様が利用し、ビジネスにおいて利益を上げ、絶え間ない変化に適応し、市場における差別化を実現するサポートをしています。お客様、パートナー、社員、ソートリーダーなどのグローバルネットワークを通して、SAPは世界をより良くし人々の生活を向上させることに貢献しています。( www.sap.com/japan 

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