2023.3.22:ウェビナー、「デジタルスレッドの有望性と現実についてのウェビナー」のQ&A


Q&A from “The Promise & Reality of the Digital Thread - Results of Industry Research” Webinar (Written by  James Roche)


先日のウェビナーにお時間を割いて参加してくださった皆さんに私は感謝申し上げます。セッションの詳細については、こちら からご覧ください。セッション中にかなりの数の質問に答えましたが、時間切れとなりました。 以下の投稿で、私は残りの質問に答えるよう努めます。 さらに質問がある場合は、j.roche@CIMdata.com までお気軽にお問い合わせください。 また、今後のPLM Road Map conferenceで、デジタルスレッドのトピックをさらに掘り下げる予定です。

 James Roche

オントロジー (データ モデル) は、デジタルスレッドの能力をフルに発揮できるようツールの相互運用性を高めることで、信頼出来かつ根拠のある情報源の促進に役立ちます。

データアーキテクチャとデータガバナンスは、デジタルスレッド戦略を実現するために重要なる前提条件です。プレゼンテーションで説明したように、デジタルウェブ (digital web) は、スコープの範疇内のさまざまな製品構造 (つまり、データカテゴリー) とそれらの間の接続をレイアウトするアーキテクチャビューです。これらのデータカテゴリーそれぞれの中にあるデータ要素や属性とはどのようなものになるでしょうか?これらのデータ要素は、往々にして複数のシステムの中にあるのです。では、どのシステムがマスターなのでしょうか?そして、そのデータ要素のオーナーは誰になるのでしょうか?これらはデータガバナンスによって答えることができる問いであり、信頼できかつ根拠のある情報源を持つためには、これらの問いにに答える必要があります。

デジタルスレッドは工場のデザイン・設計の応用できますか?

もちろんです。システムズエンジニアリングとデジタルスレッドの原理・原則は、さまざまなシステムに適用されます。対象となるシステムでは、飛行機や自動車のような最終製品かもしれません。あるいは製造工場。もしくはメンテナンス施設。あるいは他にもあります。

デジタルスレッドを実現するために必要なキーコンセプトは、自動化でしょうか?

CIMdataの見解では、自動化はデジタルスレッドの重要な特質です。製品の複数の表現の間のリンクを定義して維持することは、これまでも、そして今でも大部分が手作業のプロセスです。しかし今、商用PLM ソリューションの最近の進歩により、自動化されたリンケージとトレーサビリティを備えたデジタルスレッドは、現実的な可能性を持つようになりました。

デジタルスレッド/ウェブ向けに定義されるべき「標準」の例にはどのようなものがありますか?

これは素晴らしい質問です。AD PAGデジタルツイン/デジタルスレッドプロジェクト ームは現在、業界標準の比較分析であるフェーズ 4のポジションペーパーに取り組んでいます。今後数か月以内にリリースされる予定です。

Logistics/PS BOMを含める必要があります。

まったくもって同感です。

では、「実際の (Actual) 」使用と「望ましい (Desired) 」使用の大きな違いはどのように説明されるのでしょうか? それは文化そのもの変革なのでしょうか?それとも文化の変革への抵抗なのでしょうか?

私たちのリサーチは、あなたの考え (suggested explanation) を支持します。「組織への影響と文化的抵抗の複雑さ」は、デジタル スレッド戦略の策定と実行に対する 2 番目に高い阻害要因でした。回答者のほぼ75%が、これを主要な阻害剤または最も重大な阻害要因であるのいずれかとみなしました。回答者の75%近くが、これを主要な阻害要因または最も重要な阻害要因のいずれかとして評価しています。

Tier 3は、デジタルツインに影響を与える解析、M&Sを改善するために、デジタルスレッドを繋ぐことが不可欠です。

まったくもって同感です。

エネルギー、公益事業、あるいは化学業界におけるデジタルスレッドはどのようなものですか?

申し訳ありませんが、わかりません。プレゼンテーションでも述べたように、このサーベイは全産業が対象でしたが、A&Dで最も大きな反応はありました。その結果、回答の57%がA&Dから、13%が自動車から、また産業機器や公益事業からの回答はわずかなものになりました。業界固有のインサイトについて、提供するには十分なものではありません。CIMdataの直接的な顧客経験から、ご質問の業界におけるデジタルスレッド投資は相当なものであると確信しています。

知的財産権 (IP) はどのように保護されているのでしょうか?

それは素晴らしい質問です。IPの保護は、顧客からOEM、パートナー、そしてサプライヤーまでのバリュー チェーン全体にわたるコラボレーションの拡張と自動化に伴い、何年にもわたって大きな課題となってきました。デジタルスレッドは、バリューチェーンの参加者全体の自動化とデータへのアクセスのレベルがさらに向上することを意味します。IPの保護には、より高度なデータガバナンスが求められるものであり、権限と所有権を明確に定義して実施し、セキュリティ属性を非常に細かいレベルで割り当てる必要があります。

十分なる実現性を備えたデジタルスレッドには、データや要件の単なる「マッピング」ではなく、プロセスとデータの統合を必要とします。新しいソフトウェアに移行し、判明した関係 (discovered connections) を繰り返す場合と、事前に将来の状態を予測し、そのデザインに基づき構築する場合の結果について、何かスタディしたことはありますか?

私たちは、そのようなスタディについて認識していませんが、人々がそれを行っていることは知っています。エンタープライズ アーキテクチャ管理のフィロソフィを真剣に追求している企業は、望ましい将来の状態についてトップレベルでの定義、まだ現在の状態のボトムアップでのドキュメント化 (きちんとした説明・記録) の両方を進め、現行状態をより明確にしています。現行状態がエビデンスをもってきちんとドキュメント化されると、目標とする状態が定義され、現行状態から望ましい将来の状態への現実的なところに到達することになります。

素晴らしいプレゼンテーションです、ジム...私は、あなたがインタビューしたこれらのA&D企業では、ライフサイクルBOM Mgt、要件Mgt、また変更Mgtがまだ実施されていないことを目にしています。これらのコンセプトは、少なくとも 25 年間、これらの企業で掘り下げられてきました!なぜ、これらの企業で、まだ導入・実装が完了していないのでしょうか?

その理由のひとつは、つい最近までテクノロジーが十分に機能していなかったからです。そして今、これらの企業は、非常に複雑で深く埋め込まれた妥協してしまったレガシーソリューションを抱えていることに気付いています。

標準の欠如...CIMdata、A&D PAG、ソリューションプロバイダーが集まって、インターフェースや相互運用性の標準を開発できないでしょうか?

相互運用性の標準は、A&D PLM Action Groupのプロジェクトワークストリームの一つのテーマとなっています。この件については、まだ始まったばかりですが、希望に満ちています。ご期待ください。プロジェクトチームのこれまでの活動については、
https://www.cimdata.com/en/aerospace-and-defense/publications/standards
をご覧ください。

「PLM」と「デジタルスレッド」という用語をどのように区別あるいは関連付けているのでしょうか?

デジタルスレッドは、PLMの中核をなすものであると考えています。PLMは、製品関連データの作成と消費のすべての側面を包含するという意味で、より広範なものです。デジタルスレッドとは、製品の複数の表現をリンクする自動化を指しており、 それぞれがライフサイクルに沿ってさまざまな作成者 (creators) や消費者のニーズに合わせるものです。

デジタルスレッドとデジタルツインのコンバージェンスは、どのような領域が多いのでしょうか?

これは良い質問であり、人々はこのトピックについて多様な見解を持っています。最も基本的なレベルでは、「ツイン」の概念は、互いに関連するシステムの2つのレンダリングを意味します。これら 2 つのレンダリング間の関連付け (それぞれの要素や属性間の関係を含む) は、デジタルスレッドによって関連付けられます。

オイル&ガスやEPCのようなプロセス産業への適用性はどうでしょうか?

デジタルスレッドは、あらゆる複雑なシステムに適用されます。プロセス産業の製造、保管・貯蔵、また流通施設、つまりシステムには間違いなく適用されるでしょう。

私は完全に無知であることを前提にしてください。デジタルウェブとデジタルスレッドの合理的なアナロジーは、マップ (デジタルウェブ) とたどったルート (スレッド) でしょうか?

アナロジーのアナロジーは議論するのが難しいです。私は、デジタルウェブとデジタルスレッドの別の見方を示したいと思います。私がプレゼンテーションで示したデジタルウェブのダイアグラムでは、楕円は製品構造またはデータカテゴリーであり、それらの間のラインはケーブルまたはスレッドの束となります。スレッドは、製品構造の1つの中で特定の製品データ要素に繋がっています。もう一方の製品構造では、それらスレッドのそれぞれが、最初の構造内のデータ要素に関連するデータ要素に繋がっています。

この取り組みには、どのような方法が良いのでしょうか?個々のユースケース (断片的なピース) に基づいたものになるのでしょうか?ユースケースを実装し、さまざまな時点で必要に応じて動的に有効にすることができるフレームワーク/プラットフォームアプローチはあるのでしょうか?

はい、ユースケースはピースまたはビルディングブロックとなります。計画やプログラムの実行のために、ユースケースは全社的なプロセスの分解に似た方法でグループ分けすることができますし、そうすべきものです。これは、既存および計画中のシステムやプラットフォームテクノロジーを正当化あるいは合理的に見せようとするソリューションアーキテクチャを定義する上で非常に有用です。

こんにちは、Jimさん、素晴らしいプレゼンテーションをありがとうございました。スライド48に関連して質問します:Tier 2とTier 3のプレイヤーの名前を教えてください。

Tier 2の例: Integration bus - Oracle Service Bus、Prostep Open PDM;Data lake  - Microsoft Azure、AWS Lake Formation. Tier 3の例:データリンクのトレーサビリティ - Jama Connect;ローコード - eCube、Mendix、ThingWorx Navigate。

Tier 2とTier 3はどのように区別されますか?Tier 2aと比較したTier 3のアプローチに関する詳細情報を提供してください。

Tier 2 テクノロジーは、サービスまたはユーティリティとしてパッケージ化されています。Tier 3 テクノロジーは、データリンケージを構築するための特殊なアプリケーションまたは言語としてパッケージ化されています。

オリジナルCIMdata Blogの参照

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